オーストラリアに来て4年ぐらいが経ったころ、朝の10時ぐらいだったかな、家のドアをノックする 音がしたので開けてみると、年配の日本人らしき女性と、同じく年配のどう見ても日本人じゃない男性(オーストラリア人かしら)がいた。彼女はあたしを見るなり、
「あなた日本人?」
と聞いてきた。彼女をいぶかしむ理由がない。あたしは誰から見ても日本人の顔をしてるからだ。
「はい、そうです。」
素直に答えると、すかさず彼女はこう言った。
「聖書を勉強してみない?タダよ。」
あまりにもいきなりで直球だったので面食らった。いろんな考えが一瞬頭の中を駆け巡ったが、間髪入れず、
「英語でなら。」
と、答えていた。
その頃あたしは中国人の家族といっしょに住んでいて、彼らの英語はとても英語の勉強になるものではなく、いつになったら自分の英語が上手になるのだろうとやきもきしていた時期でもあった。だから、英語で聖書を勉強できるなら、ネイティブの英語に触れられるいい機会だと思ったのだ。