怒り方が、わからない。
いつどんなときに怒るか全くわからない母と、ほとんど家に二人っきりでいた私は、いつもビクビク顔色を伺う子どもになりました。怒られる度に怒鳴られ、蹴られ、叩かれ、髪をひっぱられ、沢山傷つくことを言われました。母に抱きしめられたり、頭を撫でられたり、「大好きだよ」と言われたりした記憶は、全くありません。それが虐待なんじゃないかと気づくきっかけもありませんでした。一人っ子の私には、相談相手なんかいませんでした。喜怒哀楽を表現できない私は、自分がされていることを、クラスの子にするようになりました。男の子を蹴っ飛ばして泣かせ、女の子の髪を引っ張り、誰にでもすぐに手を出し、何度も先生から呼び出されました。人とどう関わればいいのか、全くわかりませんでした。空想の世界が、一番安全でした。空想の中なら、なんでもできました。猫を飼ったり、買い物したり、お出かけしたり、好きな子と遊んだり…現実の世界では、私はいつもひとりぼっちな気がしました。毎日、家の郵便ポストに、『知らない誰かから、素敵なプレゼントが届いていないかなぁ』なんて、非現実的なことを考えていました。だから、研究生の母に連れられて、集会に行ったとき、みんなにちやほやされて、まんまと洗脳されていったのかもしれません。