リボルノVSユベントス
セリエA第三十週
勝利3-1。
「読めない」というのは、何とも悲しいことだ。
ユベントスの勝利を決めた(勝敗に関係ないDel Pieroの3点目の得点など無視しよう)2つのゴールには、共通点がある。リボルノの選手はユベントスのプレーがまるで「読めない」ということだ
前半3分の1点目、Del Pieroのパスにはじまり、Trezeguetのシュートに終わった得点までのプロセスで、決定的な役割を果たしたのはVieiraに代わって出場していたGiannicheddaのプレーだった。ペナルティエリア近くでのプレーであったため、リボルノの選手は後ろのポジションでプレーしていたGiannicheddaへのマークを外してしまう。自由になったGiannicheddaはゴール目指して駆け上がり、Trezeguetにパスを出すことができた。マークの厳しいFWではなく、二列目以降のMF(ときにはDFも)が跳び出して、ゴールを狙うというのは、めずらしくないありふれた戦術だ。多少スピーディだったかもしれないが、何にも珍しくないプレーだった。しかしその並のプレーをリボルノは読めなかった。ユベントスが負けるはずがない。
後半8分、NedvedからのパスをTrezeguetが決めた2点目。Trezeguetが相手DFを体をあてて吹き飛ばしてからシュートした的ニック、これはスーパープレーで、リボルノの選手を責めることはできない。問題はその前のNedvedのパスへの対応にある。Nedvedは特別なことはしていない。単にワンタッチでパスを中継しただけだった。シンプルなプレーで、バルセロナなら一試合に30回くらいはするような、何てことのないプレーだった。ところがリボルノのDFはこのシンプルなプレーについていけない。ワンタッチパスが出ることが読めていない。映像が様々な戦法を教えてくれるこの時代に、なぜこんなことがおこるのだろう?
リボルノの得点は後半8分。Giannicheddaのマークが外れ、Zebinaの詰めが遅かったせいで、よい飛び出しをしたリボルノのMFをフリーにしてしまう。Buffonの逆をつく巧みなシュートで、ユベントスは1点を失う。ユベントスは隙をつかれた。
Trezeguetに代わって途中出場のIbrahimovicは、ロングパスの受け手として、ラストパスの供給者として、まずまずの働きぶりだった。前の試合よりは、体調が戻ってきた感じで、これは非常な好材料だ。
ユベントスVSミラン
セリエA第二十九週
引き分け0-0。
第十週のミランがミランなら、この日のミランはミランじゃなかった。
前半9分、Nedvedを止めようとしたミランMF(ガットゥーゾ)が反対に吹っ飛ばされ、NedvedはTrezeguetに決定的なパスを出すことができた。前回はこんなシーンはまったくなかったのに。それ以降も、ミランのマークは同じような調子で続く、これでユベントスを押さえようなどとは無理な話だ。Ibrahimovicにも、Vieiraにも、得点機会があった。ミランは勝つ気があるのか?そんなことさえ疑いたくなるようなプレーが90分続いた。
ユベントスが勝てなかったのは、Ibrahimovicの不調による。DFの裏をかく素早い動きで、予想外のスペースを作り、パスをうけ、Trezeguetに決めさせる。この一連のIbrahimovicの仕事が、今日はまったくできない。ふがいない自分を叱責する怒りの表情も、見られなかった。体調不良なのだろう。今後のCLの勝敗は、Ibrahimovicのコンディションがどこまで戻るか、ということが最大のカギになってしまった。
Del PieroもMutuも悪くないプレーぶりだった。しかしそれでも点が入らないことが、逆に、この二人には、本当に難しい状況で、得点する力がないことを実証してしまった。
0506シーズンはサッカーの水準を変えた。チェルシーとバルセロナのCL決勝トーナメント、第2戦はそれを象徴するゲームだった。超人的な技術がなければ、一点もとれない。見たことも想像したこともないこと(例えば、テリーを吹っ飛ばすドリブル突破)を、可能にするプレーヤーのみが勝利を手にできる。IbrahimovicのDFに囲まれた中での、ボールコントロール力は、0506水準だ。Del PieroとMutuが水準に行けるか、見守りたい。期待?いや祈りに近い気持ちで。
Chielliniは悪いミラン相手なら、十分通用するところをみせた。ミランのDF(スタム)からイエローカードの出るファールを受けたことは、それだけの脅威を相手に与えたということで、むしろ勲章といってよい。
Capello6、Buffon7、Chiellini6、Zebina6、Cannavaro6、Thuram6、Emerson6.5、Vieira6.5、Nedved6、Mutu6、Ibrahimovic5.5、Trezeguet6
ユベントスVSブレーメン
チャンピオンズリーグ 決勝トーナメント 第二戦
勝利2-1。
薄い薄いたった一枚の氷が、ユベントスを救ってくれた。
ブレーメンの高速ディフェンスは、この試合でも十二分に機能していた。Ibrahimovic、Trezeguetはふさがれていた。VieiraもEmersonもボールをろくにキープできなかった。ブレーメンのプレスに押されて、ボールをしかたなく回さなければいけない状態になる。
一回戦目と同じだと思った瞬間、ブレーメンのMF(ミグー)がユベントスのディフェンスを切り裂いて、前に飛び出してきた。ここにラストパス。チップキックされたボールは、スライディングしてきたBuffonの体を飛び越してゴールネットを揺らす。前半13分、悪夢の始まりだった。
ベスト8に進むためには、2点が必要となった。焦るユベントスに、壁として立ちふさがったのが、ブレーメンのGK(ヴィーゼ)。Zambrotta、Nedved、Emerson、Ibrahimovic。彼らの破壊力のあるシュートがことごとく止められる。どんなシュートをうっても点にならないんじゃないかという、不吉な予感にピッチ全体が覆われる。
しかしユベントスは、攻撃の手をゆるめなかった。ユベントスらしい組織的な攻撃はまるでできなかったが、ともかく攻撃の姿勢は崩さなかった。叩かれても叩かれても前に出る愚直なボクサーのような戦い方だった。
時間が進むにつれて、この愚直さが実を結び始める。ブレーメンのプレッシャーは少しづつ薄れていったし、ブレーメン得意の高速カウンター攻撃も少なくなっていった。
一回戦にでられなかったZambrotta、Zebinaのサイドからの圧力。ブレーメンの戦法への慣れ(特にEmerson)。こういった要因が徐々に試合の流れを変えていった。
IbrahimovicにかわりDel Piero、CamoranesiにかわりMutu、この選手交代も流れを加速した。疲労してないプレーヤーを追い回す余力はブレーメンのディフェンダーにはもうない。
そして後半20分。ロングボールをDel Pieroが受け、ブレーメンのDFの頭を一つ越すパスをTrezeguetに出す。Trezeguetがこれを後ろから走り込んできたNedvedに渡す。Nedvedはドリブルできりこむ。Trezeguetは併走する。GKが一歩前にでたところで、NedvedがTrezeguetにボールを渡す。Trezeguetがこれを冷静に流し込む。同点。不吉な予感は消滅し、スタジオはユベンティーノの雄叫びに揺れた。
ブレーメンは流れを変えようと、残る力をふりしぼって、プレスをかけ、カウンター攻撃を試みる。ユベントスの攻撃は徐々につながるようになるが、ゴールは割れない。
もう時間がないと悲観的になってきた後半43分。ブレーメンのGKがどうってことのないボールの処理をミスしてしまう。この試合の中で、彼のところに飛んでいったシュートの中では、易しい方のシュートだったにもかかわらず。一度は胸に抱きしめたボールを、勢いを殺すために転がった瞬間、GKは放してしまう。この試合の初のミス。そしてそれが致命的なミスになった。守備に戻ろうと走りかけていたEmersonが、ボールがこぼれたことに反応する。体の向きを反転させ、足先で触る。弱い勢いのないキックだったが、GK不在のゴールを割るには、それで充分だった。
ひび割れの走っていた氷がなぜ割れなかったのか?確かな理由などだれにもわからない。確かなことは、生き残ったという事実だけだ。
サンプドリアVSユベントス
セリエA第二十八週
勝利0-1。
サンプドリアはとてもよくねばった。しかし、ねばりは、ユベントスのすべてのプレーの底にある、不可欠のキーエレメントだ。負けるわけにはいかない。
サンプドリアは、よく守り、よく攻めた。とくに前半は敏捷なZalayetaにまったく仕事をさせなかった。中盤のプレスも効果的で、NedvedやMutuが突破するシーンもまるでなかった。
Capelloは苦しかったが、CLブレーメン戦第二回戦に戦力を温存するという方針を守りきる。負傷明けとはいえ、Zambrottaがサイドから攻め上るシーンがなかったことに、ユベントスの苦しさが象徴されていた。
後半十五分すぎぐらいから、サンプドリアの活動力がほんの少しではあったが、はっきりと衰えた。ユベントスはこの機を逃さない。
ZalayetaをCamoranesiに替えて勝負に出る。サンプドリアはCamoranesiを捕まえきれない。
待望の得点はFKから。後半24分Camoranesiがゴール前に入れたボールを、中からサイドに斜行して全力で走ってきたNedvedが、ヘッドで、叩く。ここしかない空中のただ一点へのダイブ。見事というしかない。
ユベントスVSレッチェ
セリエA第二十七週
勝利3-1。
そこそこのラーメン屋と不味いラーメン屋とが勝負して、そこそこのラーメン屋が勝った、そんな試合だった。
ユベントスの守備の歯車が狂っている。前半11分、BalzarettiがレッチェのMFに抜かれたのに、追いかけなかった。この淡泊さが失点をまねく。パスが通り、レッチェのFWに対するBlasiの守りが、まったくできていなかったので、簡単にゴールを割られてしまう。Balzaretti、BlasiのDF、この調子でいくと、3点、4点の失点がありえるかもと青くなった。15分にBlasiをPessottoに替えていなければ、そんな悪夢が現実のものになっていたに違いない。
この試合ユベントスにとって幸運だったのは、レッチェも、守備が負けず劣らずのガタガタだったことだ。レッチェは、ゴール前で、ユベントスの2列目の選手、Nedved、Mutuにまるでプレッシャーをかけない。彼らを自由にさせてしまっては、試合にならない。
結局、前半の18分Mutuが放ったスピードの乗ったシュートを、Emersonがヒールで方向を変え、同点に追いつく。そして44分には、同じくフリーになったMutuのセンタリングを、ゴール前につめていたKovacが頭で押し込み、逆転。
NedvedやIbrahimovicがプレッシャーのない状態にもかかわらず、何度も決定的なチャンスを逃していたのに較べると、Mutuの精度の高いプレーは光っていた。
ともかく勝った。ブレーメン戦の後遺症がこの勝利で払拭されることを願う。
ブレーメンVSユベントス
チャンピオンズリーグ 決勝トーナメント 第一戦
敗北3-2。
整備不良の中古車が、入念にチューニングされた新車に負けた、そんな試合だった。
Vieira、Emersonが完全に封じられた試合は、今期これが初めてだ。敗北したバイエルン戦やミラン戦より、悪い。
パスは「受けて」「出す」。この両面でユベントスは遅れをとった。ブレーメンはユベントスのパスコースを読み、インターセプトを繰り返し成功させる。ゴール前でセカンドボールを拾い、波状攻撃でDFの壁を破るのがユベントスのこのところのパターンだった。ところが、この得意パターンをブレーメンにやられてしまった。ブレーメンにはパスコースを読む力、読んだコースに殺到するスピードがあった。
パスを「出す」ことも今日のユベントスはできなかった。ブレーメンのマークを外してパスを受けることができても、その瞬間にブレーメンの選手が複数現れる。いつもあれほど巧みなセンタリングのできるCamoranesiがまったくパスをだせなかったのはそのせいだ。Ibrahimovicも徹底的にマークされ、Trezeguetとの連動はほぼ完璧に遮断されていた。
自分たちの形を作れないユベントスにたいして、ブレーメンは自分たちのスタイルを90分貫くことに成功していた。
イタリアでは見たことのない、スピーディな攻守の切り替え。チャンスに、FWを援護すべく中盤の選手のゴールエリアへの連続的な侵入。早くて精確なセンタリング、CK。
GKがブフォンでなければ、決定的な点差がついていた。
前半28分に、ブレーメンがグランダーのボールを蹴って初得点。決めたのは後ろからあがってきていたDFの選手(シュルツ)。ユベントスは、後半28分、この日ブレーメンに押さえられていたIbrahimovicに替わってピッチにたったDel Pieroのパスを、Vieiraがキープ。この時間を使ってNedvedが後ろから前に飛び出し、Vieiraラストパス。これで同点。後半37分には、ブレーメンのDFがクリアした山なりのボールを、Trezeguetがヘディングで決める。
残り8分、1-2。内容は負けていたが、結果の帳じりは合わしたと、思って、どこか安心していた。ところがブレーメンは、残り10分で伝説をつくる。
後半43分。ユベントスのほぼ全員がゴール前に戻っていたにもかかわらず、右サイドからのブレーメンのセンタリングをMF(ボロウスキ)が決める。これで同点。
そしてロスタイム。同じく右サイドからのCK。ブレーメンはヘディングを2つつないでゴールを決めた。
最初から最後までこの試合はみていて違和感があった。見慣れないリズムのなかボールが動いていく。中に浸るべきユベントスの時間はまるでなかった。
Capello6.5、Buffon7.5、Blasi6、Balzaretti6、Cannavaro6.5、Thuram6.5、Emerson6.5、Vieira6.5、Nedved7、Camoranesi6.5、Ibrahimovic6、Trezeguet6.5
メッシーナVSユベントス
セリエA第二十六週
引き分け1-1。
もし今期、ユベントスがスクデッドを取れなかったとしたら、この試合に勝てなかったことが、原因になるのではないか、そんな思いがよぎった。
Chiellini、Zambrotta、Zebina不在の状況で、Thuramを外す。両サイドに渡り廊下をつくっておいて、Cannavaroに一人で守れと言うのはあまりにも無謀だった。メッシーナのFWは確かに軽快な動きをみせ、パスの精度も高かった。しかし、ベスト、メンバーのユベントスに止められない相手ではなかった。前半3分、メッシーナは長いパスを右サイドに通すことに成功する。前線でまっていたFWがこれをゴールに蹴り込み、ユベントスは失点。Balzarettiがマークしなければいけない相手だったが、間に合わなかった。BalzarettiにはZambrottaと同様の、加速力もコース取りの力もない。
失点してからの十五分、ユベントスは素晴らしい攻撃をみせる。中盤から積極的にプレスにくるメッシーナの選手を、ぎりぎりのところでかわして、パスを回す。メッシーナのDFが跳ね返しても、すぐにセカンドボールを拾い、連続して攻め立てる。結局、18分にNedvedからのパスを、DFをふりきって右サイドのスペースでボールをまっていたIbrahimovicが決める。これで同点。
ユベントスは攻め続けるが、両サイドの穴は放置されたまま。これがたたって、無理を強いられたCannavaroが後半6分に退場。ユベントスは10人に減る。ディフェンスを維持するため、ユベントスはDel Pieroをベンチに戻し、温存したかったThuramをピッチにたたせる、苦しい展開になる。FWはIbrahimovicのワントップ。前半のような波状攻撃は不可能になった。
1-1でおわる筈の試合だったが、後半36分、Ibrahimovicがペナルティエリア内でファールを受け、PKを獲得。これをCamoranesiと交代したMutuが決める。しかし、ラックはユベントスだけにあるのではない。メッシーナも試合終了間近に、ゴール前でFKのチャンスを得る。メッシーナのキッカーはスピードのある直線的な軌跡を描くボールをFWに供給。頭で合わせて、これが同点ゴール。
ユベントスにとっては、狙いがことごとく外れる、今期最悪の失敗したゲームだった。
インテルVSユベントス
セリエA第二十五週
勝利1-2。
サッカーの次元が違った。ユベントスのサッカーはインテルとは立っている地平が異なる。
後半18分に、Cannavaroは、ほぼここまで互角にやりあっていた中盤を飛ばして、右サイドのCamoranesiにパスを送る。疾走するCamoranesiの速さ方向に、これ以上は考えられないほどフィットした絶妙なパスを。インテルのDFはパスが通った瞬間にどんな手段を使っても、Camoranesiを止めるべきだった。なぜなら、Camoranesiからのラストパスをゴールに蹴り込むのは、TrezeguetとIbrahimovicだったから。DFはこの瞬間、背後の味方をあてにしていたに違いない。仮にユーベのFWがつっこんできても、連中のすぐれた技術なら、いつものように決定的な仕事は阻止してくれるだろうと。DFの判断は間違っていた。インテルのDFはTrezeguetに一人つられ、数を減らされる。残った二人でIbrahimovicを止めにいくが、Ibrahimovicはこの二人より早い。加速したIbrahimovicを安全に(ゴール前では安全が求められるわけだが)とめるには三人のDFが必要になる。挟むのに二人、想像を超える美技に備えて、距離をとってもう一人。二人では止められる筈もない。IbrahimovicはDF二人を振り切り、Camoranesiからのパスをゴールに蹴り込んだ。ユベントスのFW二人は、Cannavaroからのパスを見ただけで、Camoranesiからのラストパスと、自分たちの役割分担を瞬時に頭の中で描写し、動き出した。互いが互いの動きを描きあいながら動く力、動きを描くこの力がユベントスだ。
インテルにはこれがない。インテルのFW(アドリアーノとマルティンス)にパスが出るとき、それはとりあえずFWに送るというパスでしかない。マルティンスがアドリアーノが、連動して、どこにどのように動くか、そんなことを考えてのパスではない。描く力のない選手どうしのプレーが、描く力のあるユベントスに勝てる筈はない。インテルの一点が、描く力と無縁な、CKからの一点だけだったのも無理はない。
Camoranesiがこの試合、DFとやり合う前に、早めにパスをだしていたのとは対照的に、Nedvedはボールを長く持ち、DFをフェイントで抜き去ることでチャンスを作ろうとしていた。抜き去って、破れ目さえつくれば、そこからDel Pieroなり、Trezeguetなりが侵入し、ゴールを決めてくれる。インテルDF(コルドバ)はNedvedを止めようと、やっきになる。この必死さが裏目にでて、ユベントスはFKのチャンスを獲得。このチャンスをDel Pieroが物にし、二点目が入った。コルドバは、Nedvedの執拗なプレーにいらだっていた。しかし、筆者の目には、それが有効な攻撃ができない、自身のチームへのいらだちのように見えた。
ユベントスVSパルマ
セリエA第二十四週
引き分け1-1。
セカンドボールを拾えるということは、攻撃が、単発ではなく連続するということを意味する。一回の波では越えられない壁も、波と波が重なりあって振幅が増幅したときには一気に打ち破ることができる。前半30分過ぎから、ユベントスは波状攻撃のお手本のようなプレーをやってのけた。Emerson、Vieiraの冴えた読み、切れる体が、パルマのDFからMFに渡るパスをいとも簡単に奪い取る。パルマはチャンスが作れない。ユベントスの失点は、Cannavaroが、ひどいコンディションのグランドに足をとられて、ディフェンスできなかった前半39分の一点のみ。相手にだだの一度もチャンスを作らせなかった。
この日、ユベントスで一番体調の悪かった選手は、Ibrahimovic。気分を変えるためか、髪の毛をそっての登場。しかしこの気合いに体がついていかず、相手選手を追いかけることも、空いたスペースに突進することもできない。いいところのなかったIbrahimovicをMutuが救ってくれた。今日のユベントスのできでは一点差は難しくなかったので、先取点を取られても、プレーの質が変わったわけではない。ほとんどのプレーが見事だったユベントスのなかでも、前半44分、このときのMutuのラストパスは素晴らしかった。DFとGKの中間地点に落ちた絶妙なボールをIbrahimovicが押し込み、これで同点。
勝利に値するパフォーマンスを見せていたが、勝ちきれなかったのは、Del Pieroの決定機を決める力の低さによる。FWがFK、PKと連続して外すのはいただけない。
ユベントスVSウディネーゼ
セリエA第二十三週
勝利1-0。
Vieira、Zebina抜きで、このチームに勝てたことを喜びたい。
ウディネーゼのDFは手強かった。他の試合で一度もみられなかったシーンがこの試合にはあった。Ibrahimovicと一対一で競って勝つDFがウディネーゼにはいる。ミランも、バイエルンもできなかった偉業だ。止める力、世界一は、現時点ではここかもしれない。DFをかわす技術は、Ibrahimovicにはりあえるのは、ロナウジーニョだけだからだ。
Vieiraのいないユベントスで攻撃の起点になるのはNedvedだ。Nedvedを徹底的にマークしたウディネーゼは正しい。前半38分のNedvedへの激しいチャージで、ウディネーゼ選手がレッドカードを喫したのは、拠点Nedvedをつぶすという姿勢の現れだった。
Ibrahimovicを封じられ、Nedvedが警戒されたとき、どう点をとるか? ユベントスはこの問題の解決ができなかった。自分たちの勝利方程式が破れたとき、いかに新たな方法を見いだすか、この能力が試された試合だったが、答は出せないままに試合は終わってしまった。
攻撃の意志決定が、Ibrahimovic、Nedved、Vieira、Camoranesiが(VieiraがいないときはEmersonも)それぞれ互いを感じあいながら柔軟にやっていくのがユベントスの特徴だ。これが同じ強豪チームでもチャルシーとの違いになっている。チェルシーもエッシェンなどクレバーな選手は多いが、なんといっても意志決定はランパードにゆだねるという傾向がある。分散型意志決定と集中型意志決定。90分の時間でどちらが高いパフォーマンスを構成できるか?ユベントスが最高に美しいときは、互いが互いの意図を感じあい、相手DFの想像をこえる何かが生じるときだ。相手がもろいと、こんなシーンは実現しない。この試合はチャンスだったが、想像をこえる何かは生まれなかった。それが残念。
ユベントスの得点は、後半26分、Zambrottaが、絶妙なクロスをあげ、Del Pieroがワンタッチでシュート。これが決勝点となった。