チャンピオンズリーグ2nd leg最大の注目カードのユベントス対バイエルンミュンヘンの一戦が3月17日に火蓋をあけた。まず両チームの勝ち上がり条件を整理しておこう。1st legはユベントスのホームで2-2のドロー。バイエルンミュンヘンは2つのアウェーゴールを奪っているので、勝ちもしくは1-1までのドローなら勝ち上がりが決まる。ユベントスは勝ちもしくは3得点以上取った上でのドローでの勝ち上がりが決まる。そんな中行われた一戦は、意外にもユベントスが前線からのプレスを激しくかけながらオープンな展開になった。ユベントスは理想的な展開から5分にポグバがバイエルンミュンヘンの隙をついて先制点を奪い、28分にはカウンターから圧巻ドリブルをみせたモラタからのパスをクアドラードが落ち着いてフィニッシュして追加点をあげた。ユベントスは1st legの後半のいい流れを2nd legでも持ち込むことができた。後半に入ってもユベントスの優位は変わらず粘りのディフェンスで決定機を許さない。グアルディオラ監督の首をかしげる姿がバイエルンミュンヘンの苦しい展開を象徴していた。しかしグアルディオラ監督は諦めていなかった。苦境を打破するためにコマンを投入し、スピードで縦へ勝負し徐々にチャンスを作り出す。ついに73分にドグラスコスタの完璧なクロスからレヴァンドフスキがヘディングを突き刺す。バイエルンミュンヘンの怒涛の反撃は続き、ユベントスは自陣のハーフコートに釘付けにされてしまう。勝利は目前だったが90分にコマンの深くえぐってからのクロスにミュラーに同点ゴールを許してしまう。ついにスコアは2試合合計4-4のイーブンに持ち込まれた。サッカーとはメンタルが大きく左右するスポーツだ。同じドローでも地獄から生還したバイエルンミュンヘンの勢いをかえす力はもはやユベントスには残っていなかった。延長後半にチアゴ、コマンに得点を許し、ユベントスのビッグイヤーへの挑戦は幕をとじた。この試合を見終わって、13-14シーズンのチャンピオンズリーグ決勝を思い出した。アトレティコが戦力で勝るレアルに、ゴディンの奪った虎の子の一点を、後半ロスタイムでおいつかれ延長で力尽きた一戦だ。改めて、サッカーの楽しさと怖さを感じたゲームだった。手に汗にぎる展開は片時も目を離せない素晴らしいエンターテイメントだったといえるだろう。バイエルンミュンヘンは最高の展開でベスト8進出。グアルディオラ監督はビッグイヤーをバイエルンミュンヘンにもたらして有終の美を飾ることができるのか!?興味はつきない。