娘が悩み、不眠になってしまったとき、
かかりつけの病院から「子どもの精神科」への紹介状をいただきました。
当時の私は、
「精神科に行けば、少しでも元気になれるかもしれない」
そんなふうに思っていました。
でも、娘ははっきりと拒否しました。
「精神科って何するの?話すの?
なんで知らない人に会って、自分のこと話さないといけないの?
絶対に嫌だよ。」
その言葉を聞いたときの私は、
「どうにかして説得しなきゃ」
という気持ちでいっぱいでした。
正直に言うと、
娘が納得していなくても、連れて行ったほうがいいんじゃないか…
そんなことまで考えていました。
精神科の予約を取ろうと電話をしたとき、
娘が受診を拒否していることを伝えると、こう言われました。
「お母さん、その状態で来てもらっても意味がないのです。
本人が納得してから予約をしてください。」
「意味がない…?」
そう思いながら電話を切ったのを、今でも覚えています。
今なら、あの言葉の意味がよく分かります。
本人が「行こう」と思っていない状態で無理に連れて行くことは、
意味がないどころか、
かえって心を閉ざしてしまうこともあるんですよね。
あのときの私は、
娘の気持ちよりも「どうにかしなきゃ」という焦りを優先してしまっていました。
本当に、余裕がなかったんだと思います。
でも同時に思うんです。
あのときの私は、
ただ「娘を助けたかった」だけなんですよね。
どうしたらいいのか分からなくて、
とにかくプロに繋げたい一心でした。
結局このときは、紹介状を使うことはありませんでした。
(数ヶ月後に、別の形で精神科を受診することになるのですが、
そのお話はまた今度書かせてください。)
不登校のお子さんの中には、
人に会いたがらない子も多いと思います。
そうなると、「専門家につなぐ」ということ自体が
とても難しくなりますよね。
今の私はこう思っています。
どんなに優秀なカウンセラーさんでも、
どんなに経験のある先生でも、
やっぱり一番近くで、
一番長い時間関わっている
お母さんやお父さんの存在には、
かなわないんじゃないかなと。
もちろん、専門家の力も大切です。
でも、子どもにとっての「安心できる場所」は、
やっぱり家庭なんですよね。
無理に変えようとしなくてもいい。
うまく言葉にできなくてもいい。
ただそばにいること。
そのままを受け止めること。
それだけで、
子どもは少しずつ回復していく力を持っているんだと思います。
あのときの私のように、
「どうしたらいいのか分からない」と悩んでいるお母さんへ。
大丈夫です。
焦ってしまうのも、迷うのも、
全部「大切だからこそ」です。
そしてその気持ちは、ちゃんと子どもにも伝わっています。
完璧じゃなくていい。
正しい対応じゃなくていい。
ただ、そばにいること。
それだけで、
もう十分なんだと思います。