昼食が終わり、エリカには遅刻したことはバレずに

いつも通り中国人たちにまざって昼ごはんを食べた。

 

エリカの友達の中国人たちはみんな年上だし

会話に入っていくのもなんとも少し気まずい。

私の名前が会話の中で聞こえると

 

「私のこと言ってるでしょ?」なんて入っていこうとしてみるけど

そうでなければ一言も聞き取れないのだから。

 

 

 

 

 

ランチ休憩が終わる。

 

「また帰りにね〜!」と言ってエリカは中国人のみんなと校内に戻っていく。

息の詰まる生活だ。もう学校に来たくないなと思いながら次の教室に向かう。

 

次の教室はなんだったかな。英語かな。

なんでもいいけど・・・。

 

 

 

教室につくと、もうクラスメイトは全員ドアの前に立って並んでいて、私が一番最後だった。

目の前に今朝見た顔の濃い人が立ってハリーと話している。

 

わたしはしばらくぼーっと外を眺めていたが、しばらくすると顔の濃い人が話しかけてきた。

 

 

 

「Hello! なんていう名前?僕ハイル *。」

 

「わたしはハナ・・・ ハイル?日本人なの?? *

 

「ううん!でも今日朝初めてこの学校にきたらみんなに日本語で話しかけられた!よく日本人っぽいって言われる〜!!」

 

「へ・・へぇ、どこの人なの?」

 

「ウイグルっていうところ!」

 

「ウイグル・・・どこ?」

 

「んーとね。東トルキスタンともいうんだ〜。」

 

「そっかそっか。何語話すの?」

 

「中国語を一生懸命勉強したんだ、中国語話せるよ!」

 

「そうなんだね。だからハリーと・・」

 

「うん。一年勉強したの、中国語。」

 

 

 

後ろで中国人のハリーがにこにこと私たちの会話を眺めている。

 

 

そんなことを話していると満面の笑みを貼り付けたような先生がきてドアを開けた。

ハイルが先に教室に入っていき、二人の席をとる。

 

 

「ここに一緒にすわろ!」

 

 

隣の空いた席を手でたたいてわたしのためにとっておいてくれている。

ハリーがハイルの逆隣に座って、わたしは小走りでハイルの隣に座った。

 

授業中もハイルはわたしに、去年もこの語学学校に通っていて

そのあと国に一度戻ってまた来たから留年組みたいなもの〜とか

ペンがないから貸して〜とか他愛もない話を色々聞かせてくれた。

 

時には先生に怒られながら。

 

 

 

 

 

クラスメイトは科目ごとにに違うので

ハイルとは全てのクラスで一緒ではなかったけど

一緒のクラスでは毎回ハイルはわたしの席をとっておいてくれた。

 

ハイルがいない授業でも

オーストラリアに来て初めてひとりぼっちな気がしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*国際的にSensitiveな内容のため、名前を大きく変えているので

「日本人っぽい名前」になっていませんが

本当の名前は日本人でもある名前でした。