部屋の片隅で古びたノートを見つけた。


昔のRALITZやソロの楽譜が大量に挟まっていた。


先日、そのノートを彼女が見つけ、


「これいつまで取っておくの?」


と嫌な感じで訊いてきたから、気になっていた。


中身を見た。


俺が描いた漫画だった。


登場人物は俺とMarKとRieだった。


「懐かしいなぁ。」


と日記を読み返すように読んでみた。


ちょうど俺が大学3年の頃の彼女と付き合う直前の話だった。


「あれ?これが真実?」


俺の記憶していた内容と漫画の内容に少しズレがあった。


MarKがRieを好きなのを知っていて、弄り倒しているところまでは合っている。


しかし、俺がかなりRieを好いているのは記憶と違う。


でも、当時描いた漫画だから、今の俺の記憶よりも漫画が正しいんだろう。


Rieの誕生日を「ケーキを用意して祝うぞ!」という内容だったけど、あんまり記憶がない。


いや、薄っすらとあるんだけど具体的な記憶がない。


それよりも、その後の所謂『溝の口駅の変』の方がインパクトが強すぎたためだろうか。



こんな内容だったがために「いつまで取っておくの?」と聞かれたのだろうか。


それともただ単純に薄汚れたノートだったからなのだろうか。



なんにせよ、昔から俺の漫画にはある特徴がある。


顔芸が多いこと。


背景が殴り描きなこと。


ストーリー展開がいきなりなこと。


どの要素もプロの漫画家だとしたら失格だ。


これでも大学進学と両天秤にかけるほど悩んだんだから笑ってしまう。



そんなこんなで、最近は漫画どころか絵もあまり描かなくなってしまった。


最後にきちんと描いたのは今の彼女の肖像画というか似顔絵だろうか。


額にまで入れてプレゼントしたのを覚えている。



画力が著しく低下しない程度に描き続けるべきだと思ったり、思わなかったり。



さて、寝るか。



光と闇


電車の窓から見える景色 遠くで霞んだあの町並

時間の流れを追い越すように 景色が溶けては線を描く


通り過ぎた過去 振り返るたびに

懐かしさと 切なさが 飽和して 胸が痛い

戻れるはずのない 笑顔を探して

記憶が辿ってく 過ちの日々を


都会の真ん中で ビル風受けながら

立ち向かうように 前に進むけど

心の片隅で 失くした温もりを

手探りしながら 探している 僕がいる


誰かのシルエット キミを重ね 違うと諭したりの毎日

虚しい空想を掻き消すように TVのボリューム上げてみたり


与えられた時間 費やすだけの

人生を何年か過ごしても 胸が痛い

戻れるはずのない 笑顔を探して

明日も歩いてく 現実の中を


仲間とはしゃいだり 誰かと笑っても

無理してるようで どこかおかしくて

僕には知らない 誰かと笑うキミ

あの日の笑顔を 重ねては 描くから


このまま夜明けまで 明かりを消したまま

塗り潰すような 闇に覆われて

心の中全部 綺麗に黒に染め

明日の朝日を 待ちわびて 過ごすよ




いつも詞を書いていると思う。


「俺って根暗だなぁ。」


って。


多分というか、絶対に俺は明るい人間じゃない。


基本、ネガティヴ思考だし。


だからね、HIDEKIとRALITZやってるとホッとするんだ。


空元気でも明るい曲とか詞を書けるからね。


二人で作業してる時は本当に楽しい。


独りでやっている時の数倍の速さでアイデアが浮かぶし。



ただね、作業が終わって独りに戻るとドッと疲れが来る。


溜息と共にね。


だから『根暗』だなって思う。



自分がこんな性格になった原因は知っている。


昔、虐められてた過去があるから。


で、虐めた過去もある。


つまり、両方の心理を知っている。


だから人と接すると気を使うし、気を使わせないようにアホになる。


そして疲れてしまう。



よく両親にも親しい仲間にも


「絶対に早死にするタイプだね。」


と言われた。


ストレス死だろうか。


それとも誰かに殺られるという意味だろうか。


両親は後者の意味でよく俺を諌めた。



それでも今でも生きている。


何のために生きているかなんて、もう考えない。


そんなの答えは無い気がするから。


強いて言えば自分のためだろ。



このままで良いのかななんて考えたりもする。


だけど、変えられない気もする。


この『根暗』という軸を中心に自分のアイデンティティーが構築された気がするから。



まあ、人間はそう簡単には変われないよね。


何かもし、変わる時が来たとしたら、それなりの大きな転換期というか要因が働くでしょう。



ああ、寝ようかな。


夜中になると『根暗度』がどんどん高揚してくる。



あ、別に俺、何も悩んでたりしないよ。


いつものことだからさ。


こうやって、あれこれ考えるのが癖だったりするんだ。



「考え過ぎじゃね?」


そう言われても色んなことを多角的に捉えて考えるのが癖なんだ。


ほとんどがネガティヴな方向にね。



もしかすると傷付かないための予防線だったりするのかもね。


まあ、知らんがね。


心は移ろい易く、どんな科学的分析でも数値化できない。


それがもどかしくもあり、魅力を感じて止まない要素なんだよね。


心を分析してみよう。


何かが見えてくるかも知れない。


見ようとすることで心が変化するかもしれない。


まるで万華鏡のように。

今日は南越谷に行ったぜ。


越谷レイクタウンでアホみたいに人がドバーッと乗ってきたから何事かと思ったら土曜日なんだぜ。


んで、まずは駅ビルのなんか小さい百貨店なのかスーパーなのか良く解らないところを探索。


5周くらいしたけど、良いものが無かったので日持ちしそうで飽きなそうなのを買った。


『ほんの気持ち』


とかいうユニークな名前に惹かれたのもある。


まあ「ほんの気持ち」なんで。



んで、目的の場所へダッシュ。


煙草を吸おうと年老おうと俺は未だに速いぜ。


2キロくらいなら走れるぜ。そして、まだ生きてるぜぇ。


さて、着いた。意外と近い。いやかなり近い。


んで守衛に「見舞いに来たんですけど。」とクールに言った。


「何階ですか?」


いや、俺が聞きたいわ。


んで、名前を言って調べてもらった。


「5階ですねぇ。」


と変な安っぽい番号札の名札を貰い、5階を目指す。


エレベーターに乗る。


「ん?3階までしかねーじゃねーか。」


まあ2階が連絡通路になってると言うので2階で降りる。


そして病室のある北棟に連絡通路を通って向かう。


しかーし!


病室のあるはずの北棟にいるはずなのに、ここも3階までしかない。


ちょうど通りかかった、ほんの少し可愛らしい看護婦に尋ねる。


「北棟の5階に行きたいんですけど、3階までしかないんだな。おにぎり食べたいんだな。」


みたいなノリで訊いてみた。


「ああ、ここの連絡通路を戻って左に曲がるとエレベーターがあるので、それで行けますよ。」


とか。


「ズコーッ!迷路か!!」


と心の中でその看護婦に突っ込みを入れつつも堪えて、俺はクールに言った。


「あっそうですか。どうも。」


そして、やっとのことで北棟の5階に辿り着いた。


さすがに病院って感じでちょいと静かな雰囲気。


恐る恐る病室を覗く。


カーテンが閉まっていてどこに奴がいるのか解らない。


「片っ端から覗いてしまえホトトギス。」


こういう時はとても大胆な俺です。


本当に1個ずつカーテンをめくっていきました。


まず手前右は先客が来ていて違う病人だった。


「あ、すんません。ども。」


次は手前左。なんか本当に病人!って人が寝ていた。


「違うか。」


なぜか独り言を喋る俺。


こんな感じで全部覗いたぞ。


んで最後に一番奥の左を覗くと変なおっさんと目が合った。


「ども。」


んー?じゃあ、最後はこのベッドか。


覗くと変な奴がうつ伏せでスマホを見ている。


「こいつだ。間違いない。」


長井秀和ばりの「間違いない」という動きをして忍び寄る。


軽く触ると、奴は驚いた顔で起き上がる。


何だか本当に病人みたいだ。まあ病人なんだけどね。


彼は左目にホタテの貝殻みたいなのを着けていた。今にも


「ホタテマーン!」


と言い出しそうな奴だ。


取りあえず、色々SoRの話とかホタテマンの話とか関取の話とかした。


その間に夕食の時間。


まあ何とも質素だが、1日くらいなら悪くないメニューだ。


奴はこれを3週間も食べる予定なんだから堪ったもんじゃないと思うが。


でも味は良さそうな感じね。別に食事制限されてるわけじゃないもんね。


結局、愛撫先どころかはいりにもえりにも会えなかったが、思ったよりも元気そうで良かった。


今は色んなことを我慢しなきゃいけないだろうけど、治ればまた元の生活に戻れるもんね。


それを思い描きながら、滅多にない入院生活を満喫して欲しい。


んで、点眼の時間も終わり俺は去った。風と共に去りぬ。


この「ぬ」は否定形のぬなのか?知らんわ!


んで、帰りに奴に教わったダイエー3階のキャン☆ドゥに寄り、何も買わずにそこも去った。


もうね、塩つけ麺のことで買い物どこじゃなくなっちゃったよ。


正直どうでもいいわ!とか思ったりしてたんだけど、結局小走りで店に入っちゃったぜ。


そして「塩つけ麺 大盛り」を券売機で購入。


席に着いて券売機を眺めていると


「なんだよ!特盛も同じ値段かよ!」


と思って損した気分になった。


しばらく待つと、つけだれ登場。


「噂の山葵がついてるやつやー!」


んでさらに30秒くらいして麺が登場。


「俺の嫌いなかん水の利いた黄色い麺やー!」


とりあえず、食べる。


「ん?」


もう一口食べる。


「んん?」


美味くない。なんだこれ?全く美味くない。


そして、山葵に手を付ける。口に運ぶ。


「柚子こしょうやんwww」


匂いがそんな匂いしてたから薄々気付いてたけど、塩だれに柚子こしょう…。


「普通やんwwww」


ってことで、濃厚つけ麺の方が美味いぞ。少なくとも俺はそう思ったぞ。


最後につけ汁を飲んでみるとアサリが沈んでた。


「分かりずらっ!!w」


そんなわけで、あまり期待過剰にならない方がいいぞー!w


って、こんなこと書いていいのかしら。


奴の楽しみを一つ奪ってしまった気がした俺でした。



頑張れホタテマン!負けるなホタテマン!

地球の誰かがホタテマンの帰りを待っている!