
戦争を知らない子供たち
結城 忍
かつて戦争を知らない子供たちという歌があった
昭和四十年代に流行った歌だ
戦後生まれの若者たちが
泥沼と化したベトナムの暗影を背負い
懸命に平和を世に訴え
庶民の心を打った反戦歌のひとつである
平成の今 彼らと同じ年代の
戦争を知らない子供たちが
日本国官僚となり
精神構造すべてを国家体制に埋没させ
国策牽引の中枢となって
新憲法制定に邁進している
戦争の放棄
自衛の為のみの軍隊
先の戦争で味わった生死の苦しみを踏まえ
半世紀以上も続いた平和国家の基本理念を
戦争を知らない子供たちが
自民党という数の力を最大限に利用し
日本国憲法を変えようとしている
いつ何どき
どんな理由も問わず
世界のどこにでも自由に出掛ける
日本国 陸海空軍を創設したいのだ
戦争を知らない
したたかな日本官僚の愚かな行為を
何とか防ぐ手立てはないものか
せめて戦争を知らない子供たちに伝えたい
平和に向かって
凛として生きろと
創和文学第3号より抜粋