淳矢淳矢が100本映画を観た2018下半期 その1 | ピン芸人・淳矢淳矢のブログ。優柔不断で慎重派。

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主に映画のランキングをつけています。

2018年、2月から時間を持て余した言い訳をするように映画を見続け

上半期100本のペースを崩すことなく
下半期も100本観ました。


1年で合計200本!!
人生でこんなに映画観たことはありません。


という事で上半期に続き
下半期に観た映画にも数を絞って感想書いてみよう思います!









と2018年の終わりに思っていたら
年を越して2月にも食い込むとは。
自分のだらしなさにほとほと愛想が尽きそうな所ですがご愛嬌ッッ!!

(上半期の感想はこちらに)




下半期に観た映画100本はこちら
※太字は映画館で観た映画です



今年話題の新作からそれほど知名度のない旧作まで我ながら色んなの観ました!


僭越ながらこちらの映画から厳選した10本に感想を書きました!


ちなみに
映画について考察するのが目的ではありません。
そういうのが好きな方は他所にたくさん転がっています!
私にはそこまでインテリジェンス溢れる行為はできません!
ただ思った事を綴っているだけです!

そして私の記事はあくまで
この感想を読んでもらって映画を観てくれる事
が最終目標なので、過度なネタバレはしないように心がけて書いています。

感想を書く上で触れざるを得ない程度にネタバレしてるものもありますが
これらを踏まえて読んでくださるとありがたいです!

更に言わせてもらうと
ライブに来ていただいて「アノ映画観たけど○○だったよ!」なんて言ってもらえると最高です。


文章書くのが苦手なので
文章書きのリハビリ程度と見ていただければ丁度良いと思います!

長くなりますがよろしくお願いします!


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓







「デジモンアドベンチャー
ぼくらのウォーゲーム!」
・2000年公開
・細田守監督(他 サマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪など)
・40分


今や夏映画の代名詞となった細田守監督サマーウォーズの原型と言われている作品。
ネット世界の描写など、サマーウォーズに引き継がれた部分を見つけるのも楽しい。

肝心な作品の中身ですが、、、
敵出現!撃破!
からの大ピンチ!合体ファイナルアタック!!
の少年マンガ的展開で、40分間で一直線にアツくしてくれます!

ネットによりピンチに陥り、ネットによりハッピーエンド。
インターネット普及の過渡期公開の映画でありながら、ネガティブに扱って終わりにしないインターネットに対する姿勢も良かったです。
サマーウォーズでは、この演出をブラッシュアップして大大盛り上がりのシーンを作ってましたね!
「こいこい!」の名シーン!あれ見ると泣いちゃいます!
サマーウォーズ好きなのが少しだだ漏れていますが、「なんだ、ただの傑作か」と言わんばかりの傑作!

使い方次第で善にも悪にもなる。
そんないつの時代にも通じるメッセージを孕んだ上に、画もキレイで観てて楽しい作品です!
ただのデジモン映画と思ってたら度肝抜かれますよ!







「カメラを止めるな!」
・2017〜2018年公開
・上田慎一郎監督(お米とおっぱい。、恋する小説家など)
・濱津隆之、しゅはまはるみ、真魚 など出演
・96分


今更この映画の感想とは・・・などとも思いますが、面白かったので書きます。

僕はこの映画を話題になり始めてから1ヶ月くらい経って観に行きました。

新宿のK’sシネマという小規模な映画館。
極力事前情報を遮断しての鑑賞。
話題になってるとはいえなんぼのもんじゃいと、少し斜めから鑑賞しようとしていた僕に驚きの光景が。

お客さんみんなの反応が尋常じゃなく良い!!
みんな笑う笑う!!
今まで幾度となく映画館に通ってきましたが、こんな光景は見たことがありません。
そして最初は反応が薄かった人も巻き込まれ、気付けば劇場全体揺れんばかりの大爆笑!!
赤の他人のお客さんとの間に間違いなく生まれた一体感、その心地良さ。
今までのは映画館で観たとは言えないんじゃないかというくらいの満足感、多幸感。
ありがとう、こんな素晴らしい映画を作ってくれて、、、
そんな想いも、上映終了後に演者さん自身が舞台挨拶に来てくれた事で、拍手に変えて送ることができました。

一人映画に行き始めてから10年ほど経ちますが、これ程に映画館で観て良かったとひしひしと感じる事はありません。
間違いなく唯一無二で忘れられない映画体験になりました。

ちなみに公開館拡大してからまた観に行ったら、初回ほどの反応の良さはありませんでした。
乗り遅れずに小規模な劇場で観れて本当に良かった!




ただ、今やこの感覚を味わうのは環境的に不可能なので、映画の内容の方にも。




映画の構造上、ネタバレ厳禁!!と謳われてる今作。
映画前半で生まれた違和感を後半しっかり回収していて
単純に映画として面白い作品でした。
確かにネタバレの有無で面白さは変わってはきます。

ただ僕はその構造上の面白さ、驚きより、映画後半で描かれる一つの映画を作る事に懸命になっている人達の姿に惹かれました。

何かを作る上げるって思い通りにいかないし、あらゆる所に目を配ったつもりでも綻びが生まれて、それを懸命にカバーしてカバーしてカバーしてカバーして、ようやく一つ何かが完成する。
そういう人達の姿を見事にスクリーンに焼き付けていたと思います。

その姿に、僭越ながら、日々ライブ、ネタ作りで仮にも何かを作っている自分を重ねてしまい、次第に応援する気持ちが止まらず、途中から笑えるはずのシーンでも目頭が熱くなっていました。

最後の、もう今度こそダメだ!というトラブルも、CGなしの文字通りみんなで力を合わせての解決!
ビッグバジェットの作品では感じられない、爽やかな後味の残る最高のラストシーンでした!

あと個人的には、カメラマン助手役の浅森咲希奈さん、監督の娘役の真魚さんの映画好きが溢れたシーンが、ものすごく楽しくで、ものすごく感動してしまいました。
何かを好きっていいな!
と久々に思ってしまいました。

そしてエンドロールでは、この映画の構造を更に内包した、スクリーンに映らないカメラを止めるな!とでも言うべき映像もあり、また感動。

たしかにネタバレで面白さの一端は削がれてしまうかもしれませんが、2回目の鑑賞も違う視点で楽しく観れましたし、それを越えてくる感動もあります。
ネタバレ云々如きでは動じない確かな面白さがこの作品にはありました。







「ラ・ラ・ランド」
・2016年公開
・デイミアン・チャゼル監督(セッション、ファーストマン)
・ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン など出演
・126分


若き天才デイミアン・チャゼル監督の前作「セッション」が傑作、今作はアカデミー賞、という事で面白いが保証されている作品と思っての鑑賞。
オープニング、凝ったカメラワークの壮大なミュージカルでワクワクし、タイトルもバシッと決まり最高の盛り上がりで幕が上がりましたが、正直そこからはまあまあといった感じ。

音楽での成功を夢見る男、女優の夢を追う女の二人の恋物語。
別によくありそうな話だし、よくできたミュージカルシーン以外特に見所なし。
なんならお話は少し感情移入できないくらい。

そんな印象のままエピローグ。
このまま終わりかと思いきや、、、思いきやですよ。
ここから作品の印象はガラッと変わりました。

出会った思い出の場所にいる二人。
軽快なミュージカルと共に二人の思い出を辿りながら、素敵な“あったかもしれない”未来を想像していきます。
あの時こうだったら。。。あの時いてくれたら。。。

僕は動揺しました。
目の奥に涙が溢れてきているのです。

なんだったら今までの恋物語に辟易していた人ほど感情を揺さぶられるんじゃないかとばかりに胸が熱くなっていき、涙腺をこじ開けてほじくられたように泣いていました。
そしてセッション同様にキレ良い「THE END」。
その頃にはもう嗚咽に近い泣きになっていました。

そんなこんなで、最高の映画!とは言いませんが、間違いなく
最高のエピローグ!!
でした!

もうエピローグだけで泣ける自信がありますし、今はエピローグの音楽を聴いただけでも泣ける身体になってしまいました。
なんだったらこの感想を書きながら少し涙ぐんでいます。

昔に戻れないのは分かっているけど、もしあの時こうだったらこんな未来が待っていたのかも、、、なんて妄想は、誰もがした事があると思います。
ラ・ラ・ランドは、そういう意味でみんなに感動を与えられる映画と思います。








「高地戦」
・2011年公開
・チャン・フン監督(映画は映画だ、義弟 SECRET REUNIONなど)
・シン・ハギュン、イ・ジェフン など出演
・133分


韓国の戦争映画。
しっかりと描いた残酷描写、サスペンス、命の重さなど、戦争映画を観るからには・・・って部分はきちんと抑えつつ、でもやはり最大の見所は敵との交流と思います。

いざ戦いが始まったら互いに命を奪い合う敵同士、でも戦う必要のない時間は俗な物を通して通じ合えるただの人間同士。
観ながら浮かび上がってきたこの感情はなんだろう、と思い悩み、きっと戦争ってこういう事の連続なんだろうなと次々と思考を促される。
僕は映画という追体験できる手法で、見事に踊らされていました。

安い言葉を使うと、とても考えさせられる映画。
ですが、ただ湿っぽい話なだけでに終わらずに、魅力的なキャラクター、緊迫の戦闘シーンと、映画としてもとても面白い。

更に物語にも巧みな仕掛けが用意されています。
ネタバレすると大分魅力が削がれてしまうかもしれないので深くは言えませんが僕はこの映画で
現実に生きていて感じた事のある以上の絶望を感じる事ができました。
感じたくもありませんでしたが。。。

数は少ないながらも、今まで観た戦争映画の中で一番だと思っています。









「スプライス」
・2010年公開
・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督(CUBE、NOTNING ナッシング、パリ・ジュテームなど)
・エイドリアン・ブロディ、サラ・ポーリー、テフフィーヌ・シャネアック など出演
・104分


人間と動物のDNAを配合した生命体ドレンを育てるカップルの研究者の顛末を描く。
これは新感覚ホラー、、、とでも言えばいいのか。
あまり感じた事のない感覚を味わいました。

ドレンの形状、そのドレンを育てる母の姿。
この映画で描かれているもの、すべてこの言葉で言い表せます。
気味が悪い!!

わかりやすくドレン姿(幼体)を見せますが

ほら気味が悪いでしょう!
これが成長してより人間っぽくなっても気味が悪い。
人間の生理に訴えかけるような気味の悪さです。

いや〜それにしても清々しいほど気味が悪い!
なんて言うか、ドレンといい母親といい、ずれている!

姿形が知ってるものと違う、やってる事が少しずれてる、そういう違和感・不安感が徐々に積み重なっていき、やがて怖さを感じていく。
僕はそうしながら、この映画に逆説的にホラー映画という物を感じました。
そういう意味で新感覚ホラーって感じです。
ちなみに、私は成長したドレンの笑顔が一番不気味でした。

気持ち良く楽しく面白い!と爽快な映画の真逆をいく、こういう後を引く気味悪エンタメもたまには。





その2につづく