5月になり雅紀の提案で天気のよい日には昼休みは5人で屋上で過ごす様になったのだった。
屋上に大きなレジャーシートを広げてその上にちょこんと正座をして座っている潤が、
「うわーっ!!
やっぱり天気がいいと外は気持ちがいいよねーっ!!」
と言いながらニコニコとしながら弁当を美味しそうに食べているのを…。
やっぱり潤はかわいいな…。
と思いながら見つめていると、
「でもよく先生がここを使う許可を出してくれたよね。」
和が雅紀の方を見ながらそう言ってきたのだった。
「和くん、それはねー。」
雅紀がズイッと和の方へと寄ると和は、
「まーくん、近いよっ!!」
と雅紀の顔を手でグイッと押しやり、
「で、何でなのよ?」
と聞くと雅紀は…。
「それはね…。」
と低い声でそう言ったかと思うと両手をバッと俺の方に向けて、
「実は首席入学の翔ちゃんと一緒にお願いしに行ったら「櫻井くんがいるのなら安心ね♡」って先生から即許可が出たんだよっ!!」
雅紀が満面の笑みを浮かべて自慢げにそう言ったのだった。
そう、雅紀に頼まれて屋上で昼飯を食べる許可を貰いに行くと先生方は、
『櫻井くんが一緒なら安心ね。』
『櫻井が居るのなら大丈夫だろう。』
と口々に言いその場ですぐに許可がでたのだった。
それを聞いた潤と和は驚いた顔をして、
「「ええっ!?」」
と声を上げたのだった。
和なんて左手に持っていた箸をポロリと落として暫く放心状態だったのだが、ハッと我に返ったかと思うと、
「翔ちゃん…アナタ首席入学だったのっ!?
子供の頃は道に迷っているのも分からない様な…ちょっとアレな子だったのにっ!?」
うわずった声でそう言ってきたのだった。
この場合…。
アレな子=アホな子
だよな…?どう考えても…。
「和…。
お前、本当に失礼なヤツだよな…。」
ムッとしながそう言うと和は悪びれもせずに、
「だって本当の事じゃん。」
と言うと楽しそうに、
んふふふ。
と笑っていたのだった。
「でもさっ!!
しょおくんって頭もいいんだねっ!!
凄いねっ!!しょおくんっ!!
運動神経もいいし勉強も出来るなんてしょおくん凄いっ凄いっ!!
それに……。」
皮肉を言ってくる和とは違い潤は俺を褒めまくってくれるのだが…。
それはそれで何だか恥ずかしくなってしまい、
「潤、ありがとう。
もう分かったからいいよ。」
と言うと潤はニコニコとしながら俺を見つめてくるので、潤に微笑み返すと潤は少し頬を赤らめて俯いてしまったのだった。
なんだ…?
と思っていると、
「まーくんと翔くんのお陰でお天道様の下で弁当が食えるだなんて贅沢だよなー。」
と言うのんびりとした智くんの声が聞こえたかと思うと、
「ふぁーーっ!!」
と大きな欠伸をすると横になり、
「ちょっと眠るわ。」
と言うと気持ちよさそうに眠り始めたのだった。
「この人…もう寝ちゃったの?」
和が呆れた顔でそう聞いてくるので、
「ああ。
智くんはどんな所でも眠れるのか特技なんだよなー。」
と和に言うと…。
「ふーん。
翔ちゃんの周りは類友だねー。
変わり者… 「和くんっ!!
僕達と一緒に居て楽しいでしょ?
ねっ?ねっ?ねっ?
和くんも僕らと類友だからお友達になったんだよっ!!」」
和が嫌味を言おうとしたタイミングで雅紀が和の両手をガシッと握り物凄い勢いでそう言うもんたから和もタジタジで愛想笑いをしていたのだった。
その様子を見ていた俺と潤は顔を見合わせて、
「ふはっ!!」
「ふふふっ!!」
と大笑いをしたのだった。
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