アンティークショップ~紫の石~














































その後…。






まーくんが両手を合わせて、


「カズくん、ごめんねっ!!
本当にごめんっ!!
ねえっ!!カズくんってばっ!!」


とカズにひたすら謝り続けて…。





「……。」




そのまーくんをひたすら無視するカズ。




「カズくん…。
ごめんね…ごめん…。」




「………。」




「ねえ、カズくんってばー。
ごめんってば…。」



「………。」




そんな2人のやり取りを泣いていた潤を抱きしめてやり、頭を撫でてあげながら見ていると…。








「あのぉ…。
しょおさん…。」


と潤が俺の名前を呼ぶので、


「ん?
どうした?潤。」


と頭を撫でてやりながら潤の顔を見つめると…。





「まーくん…。
…可哀想ですよね…?」


といつの間にか泣き止んでいた潤が俺の顔を見上げてそう聞いてきたので、



「まあ…。
確かに可哀想だよな…。」



と答えると潤は、



「…ですよね…。」


と呟くと、そっと俺から離れるとカズの元へと行き、


 




「カズくん…。
あの…。
僕、もうまーくんの事、怒っていません。
だから、カズくんもまーくんと仲直りさんしてください。」



と紫色の綺麗な瞳をウルウルと潤ませてカズに訴えたのだった。





そんな潤に不機嫌だったカズはニッコリと微笑むと、潤の頭にそっと手を伸ばして、



「ジュンくん…貴方は本当に優しくていい子だね…。」


と言いながら潤の頭を撫でてやると、


「ジュンくんがそう言うのなら…仕方がないからまーくん許してあげるよ。」


と、まーくんを見てそう言ったのだった。
(まーくに対しては目が笑っていなかったのだが…。)
























アンティークショップ 〜紫の石〜 ㊶


























ガチャガチャ…


ガチャカチャカチャ…






食器が運ばれてくる音がしたかと思うと、いつの間にか先程まで〝ファンタスティックワールド〟の地図が置かれていた大きなテーブルには料理が並べられていたのだった。









エプロン姿のまーくんがブンブンと大きく手招きをして、


「翔ちゃん、ジュンちゃん、お腹空いたでしょう?
ご飯にしようよっ!!」


とニコニコと笑顔で俺と潤を呼んだのだった。









まーくんに呼ばれて、テーブルに並べられた料理に目をやると…。






グゥーーーーーッ




グゥーーーーーッ



と俺と潤の腹が鳴り、2人で顔を見合わせて、



「ふはっ!!」


「ふふふ。」



と笑い、



「お腹空いたな。
行こうか、潤。」


と言い潤に手を差し出すと潤は嬉しそうに微笑み、


「はいっ!!
しょおさんっ!!」


と言うと俺の手を握ると、パタパタと背中の小さな白い羽根を羽ばたかせたのだった。









潤と手を繋いでテーブルへと向かいながら、俺の隣で背中の白くて小さな羽根をパタつかせてニコニコと可愛らしい笑顔で微笑む潤を見て、




やっぱり潤は笑っている方がいいよな…。





と、そんな事を思っていると…。






「翔ちゃん。
貴方、ジュンくんの顔を見つめすぎだから…。」



と既に席についているカズにそう言われて、慌てて潤から顔を逸らして、



「そ、そんなに見ていないしっ!!」


と言うと潤が、


「ん?」


キョトンとした顔で俺を見つめてくるもんだから…。



か、可愛い…。



と思わず潤を見つめ返してしまい…。









ニヤニヤとしながら俺を見つめるカズの視線に気付き…。



慌てて、



「潤、座ろう。」



と潤にそう言うと、隣同士で座っているカズとまーくんの向かい側に俺と潤は座ったのだった。







「じゃあ、食べようかっ!!」



と言うまーくんの声を合図に手を合わせて、




「「「「いただきますっ!!」」」」




と言い食事を始めたのだった。




たまごがフワフワッのオムライスを一口食べてから、スープを飲むとスープは温かくて、短時間にあまりにも手際よく料理が用意されていたので、




「まーくん。
これってさ、今作ったの?」



とまーくんに聞くとまーくんは、




「ああ…。
翔ちゃん、これはね。
僕とジュンちゃんで翔ちゃんのお家で作っていた夕飯を運んできたんだよ。」



と言うと魔法の杖取り出し、クルクルと宙に円を描いてみせたのだった。






「ねー、ジュンちゃん。」


と潤にそう言うと、潤はコクンと頷いて、



「はい。
そうなんです。」



と言うとオムライスを頬張る俺の顔をジッと見つめてきたので、



「このオムライス最高っ!!
美味しいよ、潤。」



と言うと潤は、



「ふふふ。
よかった。」



と嬉しそうに微笑んだのだった。










そんな俺達を見ていたカズが食事をしていた手を止めて、



「翔ちゃん、ジュンくん。
今日はまーくんが2人を巻き込んでごめんね。」




と申し訳なさそうに謝ってきたのだった。




「それは大丈夫だよ。

まあ…驚く事は色々とあったけどな…。」



と言うと、


「くふふふふっ。
翔ちゃん驚かせてごめんね。」



とまーくんがニコニコとしながらそう言うと、



「ちょっとっ!!
まーくん。
貴方、反省していないでしょう?」



とカズがまーくんをジトッと睨みながらそう言ったのだった。




 



すると、まーくんは慌てて、



「ちゃんと反省しているってばっ!!」



とカズにそう言うと、カズは呆れた顔をしながら、


「ったく…。
人が〝幻想の森〟で行われた会合に参加している間に、とんでもないを事をしでかしてくれましたよね…。」



とカズはブツブツとまーくんに文句を言うと、まーくんは、



「だって…。
それは今日を狙っていたんだもんっ!!
カズくんが留守の時が翔ちゃんと逢うチャンスだと思ったんだけど、やっぱり正解だったよねっ!!」



と相変わらずニコニコとしながらカズにそう言うと、潤は潤で…。


「まーくん。
そうだったんですね。
しょおさんと逢う事が出来たから、まーくんはやっぱり天才ですねっ!!」






なんて言ってまーくんを褒めたりしてしまっていて…。




唐揚げを食べながらカズの顔をチラリと見ると…。




案の定…カズの眉間には皺が入って怒った顔になっており…。





これはマズイ…。




と思い小声でまーくんに、
  


「まーくん…。
それはカズに言ってはいけないんじゃ…。」



そう言うと、まーくんは、



「あっ!!」




と声を上げると慌てて両手で自分の口を押さえたのだった。



その後、目をパチパチパチ…と何度も瞬きをし落ち着きを無くしてしまったのだった。




そんなまーくんの様子を見たカズはニッコリ微笑んで(例の目の笑っていない笑顔で)、




「確信犯なうえに反省なし…とは…。
まーくん、いい度胸していますね…。」



と言いまーくんの事を見つめていたのだった。








何だか冷たい空気が流れているのだが…。






そんな事に気付いていない潤が、



「あっそうだっ!!
ねえ、カズくん。
まーくん、今後もしょおさんのお家に遊びに来てもいいんですよね?」




と嬉しそうにカズにそう聞くと、さっきまで怯えた表情だったまーくんの表情が明るくなり、




「あっそうだよっ!!
僕、これからも翔ちゃんとジュンくんのお家に遊びに行ってもいいんだよねっ?」


と両手を組み合わせてお願いのポーズをしたまーくんが、カズにそう聞くと、




「ハァーーーーッ。」



と、カズは大きなため息をつくと、



「…さ…じゃなくて…。
大天使様が…まーくんに『逢ってもいい。』って言ったんだよね?」


とまーくんにそう言うと、まーくんは満面の笑みを浮かべて、



「うんっ!!」


と頷いたのだった。



カズは暫く腕組みをして、


「うーん…。」


と唸りながら考えた後、


「…だったら仕方ないよね…。
上からの許可が出てしまってるんだもん…。」


と言うと再び、


「ハァーーーーッ。」


と深いため息をついたのだった。





「っと…。
余計な事しかしないんだから。」


と眉間に皺を寄せてブツブツと文句を言っていたのだが、そんなカズとは反対にまーくんと潤は椅子から立ち上がると駆け寄り、お互いの手を取り合って、



「ジュンちゃんっ!!
僕、こらからもジュンちゃんのお家に遊びに行けるよーっ!!」



「まーくんっ!!
僕、すっごく嬉しいですっ!!
また一緒にお料理作ってねっ!!」



とピョンピョンと跳ねながら喜んでいたのだった。




















アンティークショップ 〜紫の石〜 ㊶
⭐⭐ to becontinued⭐⭐















いつもお話を読んでくださってありがとうございます照れ


1つ前の〝RONTA のくだらない話〟もお話ではないのに読んでくださって、おまけにいいねも押してくださってありがとうございましたキラキラ



そして〝アンティークショップ〟お待たせしました…あせる
お話の間が空いてしまっているのですが、楽しんで読んでいただけると嬉しいです音譜
(待ってくださっている方がいるといいのですが…ガーン