アンティークショップ~紫の石~
















































「えっ!?
えっ!?
ええ〜っ!?
カズくん、いつの間に僕に魔法をかけいたのっ!?」


まーくんは黒目がちな綺麗な瞳を大きく見開いて驚いていた。














…のだが…。





まーくんが地図を俺達に見せる為に持ってきた時に、思いっきりカズが何かを言いながらまーくんに箸の様な棒を振りかざしていたよな…?


あの時カズはまーくんに魔法をかけたんだよな?


あれに気付いていないまーくんって…〝魔法使〟い…いや〝魔法師か〟…。



〝魔法師〟として大丈夫なのか…?


と思いながらまーくんを見つめていると、俺の視線の先に気付いたカズが、


「んふふ。
まーくんは〝魔法使い〟としても〝魔法師〟としても優秀なんだけど、少し抜けているところがあるんだよねー。」


とニコニコとしながら俺にそう言ってきたのだった。


「あ…ああ…。
まーくんって優秀なんだ…?
それならいいんだけどさ。



…って本当にっ!?」


と見ている限り…まーくんには失礼かもしれないが、まーくんが『優秀』というのはどうかと思いカズに聞き返すと、
(だって、俺でも気付いたカズがかけていた魔法に気付いていなかったんだぞ!?)




「えっ!?
カズくんっ!!
翔ちゃんっ!!
今、僕の事を『優秀』だと言って褒めてくれたよねっ?
ねっ?ねっ?ねっ?」



とまーくんはニコニコとしながら俺達に、


「褒めてくれてありがとうっ!!」



と嬉しそうにそう言い椅子から立ち上がると、バタバタッと足音を立ててカズの元へと行き、


「カズくん、ありがとうっ!!」



と言いながらカズの両手を自分の両手でギュッと握り締めると、両手を上下にブンブンブンッ…と大きく振った。




「まーくん、手が痛いよっ!!」


とカズがまーくんに苦情を言うが、まーくんの耳には届いていないのかそのままニコニコとしながら俺の元へとやって来ると、


「翔ちゃん、ありがとうっ!!」


と言いながらカズにした様に、俺の両手をギュッと自分の両手で握りしめ…。



って、かなりの圧力でめっちゃ手が痛いんですけどっ!!


その手を上下にブンブンブンッ…と振り、満面の笑みでお礼を言ってきたのだった。


「あのさ…。
まーくん…。
俺も…手が痛いんだけど…。」


と俺もまーくんにそう言うがまーくんはニコニコしており…。



そんな俺を見てカズは、


「翔ちゃん、ごめん…。
まーくん力加減バカ男だからさ、許してあげてよ。」


と苦笑いをしながらそう言うと、まーくんはカズに、



「カズくん、力加減バカ男はひどいよっ!!」


と言いながらカズの肩をバシバシと叩いており…。





「もうっ!!
だからまーくん、力加減バカ男になってるってばーっ!!
痛いんたよっ!!」



とカズがまーくんにそう言うと、



「そんなー。
軽く叩いただけなのにー。
カズくんが大袈裟なんだよー。」



とまーくんはしゅんとしながらそう言ったのだった。






































アンティークショップ 〜紫の石〜 ㊱ 




































どうやらまーくんは純粋な人らしく…。


潤に近付く怪しい人物ではなく、ただ単にお人好しでかなりの天然で…良い人なんだろうな。


頭の回転のよいカズに騙されている感はあり、そこは少しばかり心配だが…。




カズやまーくんが〝魔法使い〟というのも、今まで起こった不思議な事を考えると…納得出来るよな…。


まーくんのいれてくれたハーブティーのおかげもあってか頭の中がスッキリとしていくのを感じ、何だか今のカズとまーくんのやり取りも可笑しくなり、


「ふはっ!!
まーくんは面白いよなー。」


と笑いながらそう言うとまーくんは、


「くふふふふっ。
翔ちゃん、笑顔になってくれたね。」


と嬉しそうにそう言い、


「あのさ…。
これで少しは僕の事を信用してくれたのかな…?」


と俺の顔をジッと見てそう言ってきたのだった。



「は?」


何の事だ…?


と思っているとまーくんは、



「だってさ…。
翔ちゃん…。
翔ちゃんの家で逢った時に僕の事、不審者だと思っていたでしょう?」



とまーくんが黒目がちな瞳をウルウルとさせてそう言ってきたのだった。




「はっ!?

あ…。
あー…ああー…。
おっしゃる通り…。
潤に近付く不審者だと思っていたよ。
だって現に俺に『まーくんだよわんっ!!』って言ってきて、めちゃくちゃ怪しかったじゃん…。」



と言うと、それを聞いたカズが、



「はぁー!?
なに、まーくん…。
その姿で翔ちゃんに『まーくんだよわんっ!!』って言ったの!?」


と言うとまーくんは、


「え?
言っちゃダメだったの?」



とキョトンとしながらそう言ったのだった。






それを見たカズが、


「んふふふふふ。
よく翔ちゃんに警察に突き出されなかったよね。
俺ならサッサと警察に突き出すよ。」


とケラケラと笑いながらそう言ったのだった。




「なんだよっ!!
カズくんそんなに笑わなくたっていいじゃんっ!!
それに僕、不審者じゃないし…。
だから…翔ちゃんに信用して貰うのに必死だったんだよ。
信用して貰えないと思うと悲しくなっちゃって…。
グズっ…。」



とまーくんはウルウルと瞳を潤ませていて…。


あれって…半分泣いているよな…?




黒目がちな綺麗な瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうになっていたのだった。





あの時、まーくんはカズに怒られるのが怖くて泣いていたのかと思っていたが…。


まさか…。



と思い、



「えっ!?
待ってっ!?
まーくんが泣いていたのって…カズに怒られるのが怖くてじゃなかったの…?」


と聞くと、まーくんの目から涙がほろりとこぼれ落ち、


「ぢがうよっ!!
カズくんには、怒られ慣れているもん…。
翔ちゃんに信用して貰えないのが僕…悲しくて…。
グズっ…グズっ…。」


と言ったのだった。






「はっ!?」

「えっ!?」



「「そっちっ!?」」



カズとハモリながらそう言うとカズは、



「ちょっとー、まーくんっ!!
少しは俺に怒られて反省してよっ!!」

カズは両手を腰に当ててプンプンとしながらまーくんに苦情を訴えていたのだった。


「カズくん、ごめん、ごめんっ!!
ごめんねっ!!」


とまーくんは両手を合わせてカズにそう謝るが、


「もう、そう言ってまーくんは反省しないんだからっ!!」


とカズは呆れながらそう言ったのだった。







そんな2人のやり取りを見ながら俺は思わずお大笑いをしてしまったのだ。




そういえば…まーくんの、『まーくんだわんっ!!』で思い出したのだが…。





今日はゴールデンレトリバーのまーくんは居ないのかと思い、店内をキョロキョロと見渡し、



「それよりもさー。
今日はゴールデンレトリバーのまーくんは居ないの?」




とカズとまーくんに聞くと、



「「はいっ!?」」


と2人は声を揃えてそう言いながら驚いた顔をして俺を見つめてきたのだった。




「ん?」



俺、何か変な事を言ったのかな?


と思い、カズとまーくんの顔を見つめ返していると、



「翔ちゃん…。
だから僕がー。」




「まーくんだわんっ!!」



と言いながらまーくんが飛び付いてきたのだった。




「うおっ!?」

と言いながらまーくんの体重を支えきれず、椅子からまーくんと一緒に転げ落ち、



「いったー…。
ちょっ…。
まーくん、何の冗談だよっ!!」


とまーくんに少し怒りながらそう言うと、





「翔ちゃん、それこっちの台詞だから…。」




とカズが何だか困った顔をしながらそう言ったのだった。



























アンティークショップ 〜紫の石〜 ㊱
⭐⭐ to becontinued⭐⭐

















いつもお話を読んでくださって、ありがとうございます照れ



This is 嵐のLIVE 2020.12.31 のDVD&Blu-rayの発売が決まりましたねチューラブラブ

嬉しい反面…これが発売されると今後は嵐さんのLIVE映像は暫く販売はないのかな…?と思うとちょっぴり寂しいですあせる



でもでも、初回限定盤にはメイキング映像付きは嬉しいですよねラブ

5人がイチャイチャしている姿が早く見たいですね音譜


年末が楽しみですね口笛キラキラ