アンティークショップ~紫の石~
「ったく…。
何で余計な事ばかりするんだよっ!!」
カズはつま先立ちをして自分より背の高いまーくんにグイグイと顔を近付けて文句を言うと、まーくんは、
「えー。
何でー?
翔ちゃんだってきっと聞きたかったと思うよ。」
と言うと、
「ねー。
翔ちゃん。」
と俺に聞いてきたのだった。
はいっ!?
まーくん…この状況で俺に話を振ってきますかっ!?
どう見てもカズは怒っていて機嫌が悪いし、余計な事を言うと俺にまでとばっちりがくる事間違いなしだ…。
何としてもそれだけは避けたいし…。
どう答えれば…いいんだ…?
「えっあっ…。
いや…。
俺は…。」
と答えに困っていると、
「まーくんっ!!
そうやって人に責任転換をしないっ!!
翔ちゃんが困ってるでしょうがっ!!」
とカズは怒りながらそう言うと、
「そもそもまーくんが勝手な事をするからこういう事になったんだしっ!!」
と左手の人差し指をまーくんに向けてブンブンと振りながらそう言った。
「でも、それはカズくんが僕にジュンちゃんと翔ちゃんは逢わせてくれないからっ!!」
とまーくんが言い返すと、
「ジュンくんに逢えないのは俺が決めた訳じゃないしー。
それに翔ちゃんには逢わせてあげましたーっ!!」
とカズも負けずにまーくんに言い返しているし…。
「あんなの翔ちゃんに逢ったうちに入んないもんっ!!」
「逢わせてあげたじゃんっ!!」
「犬の姿だったしっ!!」
「俺が犬の姿でならと言った時、まーくん何て答えましたか?
『カズくん。
僕、それでもいいよ。
翔ちゃんに逢えるのならっ!!
お願いっ!!
翔ちゃんに逢わせてよーっ!!』
と言ったのは何処の誰でしたっけ?」
「だって…。
喋れないとは聞いていないもんっ!!」
「立派に『ワンワンッ』って喋っていましたーっ!!」
「はあーっ!?
そんなの喋ったうちに入らないしーっ!!」
といった具合に2人がずっと(小学生レベルの)喧嘩をしており…。
物凄い勢いで言い合いをするもんだから…。
俺…。
止め方分かんねーや…。
と唖然としながら2人の喧嘩をみていると、
俺の膝の上に頭を乗せてスヤスヤと眠っていたじゅんが
「ん…んん…んん…。」
と言いながら、瞼をピクピクと動かしたかと思うと、茶色のふかふかの毛布の端をキュッと握りしめると毛布を自分の頭まですっぽりと被り、
「……うる…しゃい…で…すぅ…。」
呟いたのだった。
そんな潤の声を聞いたカズとまーくんは、それまでごちゃごちゃと揉めていたのに急に慌てて、
「ジュンくん…」
「ジュンちゃん…」
「「…ごめんねっ!!」」
息をピッタリと合わせながら潤に謝ったかと思うと、急におとなしくなったのだった。
アンティークショップ 〜紫の石〜 ㉜
その後潤が目を覚まし…。
まーくんが俺達の座っているソファーの近くに、木で出来た座る部分は革張りになったアンティークの椅子を2脚持って来ると座り、カウンターの方から飲み物を運んできたカズが、
「ジュンくん。
熱いから気をつけてね。」
と言いながらカズはホットミルクの入ったマグカップを潤に手渡すと、潤はまだ半分寝ている顔をして、
「カズく…ん。
ありがとう…ございま…しゅ…。」
と言いながらマグカップを受け取ると、フーッフーッとホットミルクを吹いて冷ましながら、一口飲むと、
「カズく…ん…。
おいしい…でしゅ…。」
と嬉しそうに微笑むと、カズも嬉しそうな顔をして、
「それはよかったよ。」
と言い潤に微笑み返したのだった。
「翔ちゃんもコーヒーどうぞ。
まーくんも…。」
と言い、カズはコーヒーの入ったマグカップを近くにある丸テーブルに置いた。
「カズ、ありがとう。」
「カズくん…ありがとう…。」
と言いコーヒーを手に取り温かいコーヒーと香りに癒されながら飲んでいると、カズが潤に近付き、
「ジュンくんごめんね…。
ちょっと触るよ…。」
と潤の頭に手を当てたり、背中の白くて小さな羽根に触れたりした後、
「うん。
潤くん、大分よくなったね。
よかった…。」
とホッとした顔でそう言うと、表情を一変させキッとマーくんを睨むと、
「まーくんが逃げるから潤くんがこんな事になったんじゃんっ!!」
と声を荒げてそう言ったのだった。
「だってー…。」
とまーくんが何かを言い返そうとすると…。
ホットミルクを美味しそうに飲んでいた潤の動きがピタッと止まり、
「カズくん。
まーくん。
けんかはダメです…。」
と首を横にぶんぶんと振りながらそう言うと、カズとまーくんが、
「ジュンくん…。」
「ジュンちゃん…。」
「「喧嘩はしないから、大丈夫だよ。」」
と声を揃えてそう言うと、潤は納得した様に、
「ふふふ。
それならいいです。」
と微笑むと再びホットミルクを美味しそうに飲んでいたのだった。
ジュンの為に声を荒げる事をグッと我慢しているカズの怒りは収まらないようで…。
「…で…。
言い訳、聞いてあげますよ。」
とカズは冷たい声でまーくんにそう言うと、まーくんは…。
「だって…。
鏡の中は嵐だったし…。
っていう事はカズくんは怒っているっていう事だし…。
だからカズくんの鏡に繋がるポイント以外のポイントを探して逃げようと思っていたのに…。
翔ちゃんが…カズくんの所へと繋がるポイントを見つけちゃうんだもん…。」
まーくんは、怒られた子犬の様に寂しそうな目をしてそう言ったのだった。
「素直に捕まっておけばよかったのに。
翔ちゃんが見つけた俺の作ったポイント…すなわち出口に向かってジュンくんが必死に向かっていたのに、邪魔をしていたのはまーくん…。
貴方でしょう?」
と言い、カズは腕を組んでまーくんをジッと見つめていた。
まーくんは冷や汗をかきながら、
「そ…それは…。」
と両手を組んで黒目がちな綺麗な瞳ををキョロキョロとさせて、カズの顔色を伺っている様だった。
「まーくん貴方が余計な抵抗をするから、ジュンくんが体力を消耗して大切な…羽根まで傷ついてしまったんですよ。」
とカズがいつもより低くて冷たい声でそう言うと…。
「カズくん、僕もう大丈夫。
元気っ!!
ほらっ!!」
と言うと潤はホットミルクの入ったマグカップをコトンと丸テーブルの上に置くと、
「カズくん、見ててくださいっ!!」
と言うと、背中に生えている白くて小さな羽根をパタパタと羽ばたかせると、店内をフワリと浮いて飛んでみせたのだった。
アンティークショップ 〜紫の石〜 ㉜
⭐⭐to becontinued⭐⭐
嵐さんデビュー記念日おめでとうございます
そして今日からドルビーシネマにて嵐さんとの夢の続きが始まりましたね
翔くん、相葉ちゃん、にのちゃん、潤くんの4人+大ちゃんはお手紙で参加みたいで(←まだ動画を見れていないのですが…そうですよね?)、本当に嵐さんの記念日にはファンに素敵なプレゼントを贈ってくれますよね
ファンの事を考えてくれる嵐さんが大好きです
5人で嵐でいてくれて本当に本当にありがとう