アンティークショップ~紫の石~
その日は友人の結婚式があり翌朝には新郎新婦が新婚旅行に出発するというのと、明日は月曜日で仕事がある人が多いという事で21時過ぎには二次会が終わったのだ。
「こんな所にこんな建物があったっけ…?」
店内にはピアノの音が鳴り響いており、奥に目をやるとオーディオのレコードプレイヤーが見え、
ガラスケースを覗いてみるとアクセサリー類や時計が並べられてあり顔を近付けて、
うわー。
年代物だなー。
あ、これデザインが格好いいな。
こっちは色が綺麗だな。
などと思いながら見ていると…。
「いらっしゃーいませー。」
と店の奥の方から少し高めの声がした。
声のする方に顔を向けて見ると机…?
いや…カウンターらしき物があり、そこには椅子に座った店員らしき人が居たのだった。
先程店内を見渡した時にはあんな物あったっけ…?
カウンターに居るその人物は靴を脱いで両足を椅子の上にあげて体操座りの様な状態で、手にはゲーム機を持ちチラリと俺を見た後すぐに手元にあるゲームの画面へと視線を戻したのだった。
「あ、すみません。
お邪魔しています。
もう少し店内を拝見させて頂いても宜しいでしょうか?」
と聞くと、
「ああー、どうぞー。
お好きなだけ見ていってくださいよー。」
と、店員さんは相変わらず手元のゲーム機だけを見て、こちらを見る事もなくそう答えたのだった。
次々とガラスケースの中を見ていっていると、くすんだゴールドの枠のガラスケースが目に留まったのだった。
と首を傾げて自分の手を見ると…。
先程まで眺めていたはずのネックレスが、いつの間にやら俺の右手に握られており…。
ジュエリーケースの蓋は閉まったままで、開けた覚えもないのにネックレスを手にしている事に驚き、
「あ、いや。
えっ?あっ?はっ?
何でっ!?
あー、す、すみません。
勝手に手に取ってしまって…?」
混乱する頭でそう言うと、
「ああ。
いいんですよ、いいんですよ。
ウチの店はどんなに高価な品物でも、直接手に取りご覧になっていただきたいので。
そのネックレスは特にねーお値打ちモノなんですよ。
その子を手にしているという事は購入希望ですよね?」
んふふふふふ。
と笑いながら俺の隣にやって来ると、店員さんはそう言ったのだ。
「えっ?
えぇっ!?
コレって…もしかして…。
高価な代物なんですか…?」
と聞くと、
「ああ。
それはウチの店で1番高額商品でして…。」
と言いながらどこから持ってきたのか、電卓をカタカタカタカタッ…と弾き、
「はい、これ。」
と言って、俺に数字を見せてくれたのだ。
ええーと…。
いち•じゅー•ひゃく•せん•まん•じゅうまん•ひゃくまん•せんまん•いち…おく…?じゅう…!?…以下略。
目眩がしてクラ〜と目の前が真っ暗になっていると、
「んふふふふふ。
冗談ですよ。」
と楽しそうに笑いながら店員さんはそう言ったのだ。
「じょ…冗談だったんですね。」
とホッとしていると、
「実は…この子は売り物じゃないんですよ。」
と言うので、
「ああ、そうだったんですね。
それは失礼しました。
お返ししますね。」
と言いながらそのネックレスを手から離そうとするが、何故だか離れず…。
必死に右手から離れないネックレスを左手で壊れない程度の力で引っ張って離そうとしているが…。
接着剤でくっついたのっ!?
というくらい手にくっついたまま外れなくて困っていると、
「でもね、この子がどうしても貴方に貰って欲しいと言っているんですよね。」
と店員さんは意味不明な事を言ってきたのだった。
「はい?
この子が?ってどの子ですか?」
と聞くと、
「その貴方が手にしている子ですよ。」
と店員さんは俺の手に持たれているネックレスを指差してそう言った。
「ああ…。
この子ですか…?」
と言いながらネックレスを引っ張るが、手から離れず…。
ここまでくるとこのネックレスが呪いのネックレスに思えてきて何だか怖くなってきて…。
「あの…。
このネックレス手から離れなくて…ちょっと…怖いんですけど…。
「ハァーーッ。
……くん…。
とため息をつきながらそう言ったのだった。
「あのぉー…。
初対面なのに『ヘタレな奴』とは失敬なっ!!
冷ややかな目で俺を見た後、俺の胸元にあるネックレスに左手でそっと触れると優しく微笑み、
「大切にして貰うんだよ。
「さてと。
「あのさー。
「分かりました。
ネックレスもありがとうございました。」
と言いアンティークショップをあとにしたのだった。
アンティークショップ 〜紫の石〜
その日は友人の結婚式があり翌朝には新郎新婦が新婚旅行に出発するというのと、明日は月曜日で仕事がある人が多いという事で21時過ぎには二次会が終わったのだ。
二次会の会場から家路に向かっている途中で、その店を見つけたのだった。
アンティークショップ 〜紫の石〜 ①
今日の式よかったよなー。
アイツもデレデレで嬉しそうだったし、奥さんになる人も可愛くて良い人そうで、何よりも2人が幸せそうで俺まで何だか幸せな気持ちになれたよなー。
友人の結婚式の余韻に浸りながら歩いていると、どこからかピアノの音色が聴こえてきたのだった。
ピアノか…。
ピアノといえば…久しぶりに弾いたよな…。
アイツもよく俺がピアノを習っていた事を憶えていたよな…。
はははっと笑いながら聴こえてくるピアノの音に合わせで自分の指も軽く動かしてリズムを取ってみた。
披露宴でのピアノの演奏を頼まれた時には、もうかれこれどれくらいピアノに触れていなかっただろうか…?
それなのに友人は…彼にとって人生の中でも最大のイベントであろう結婚式という場に、俺なんかにピアノの演奏を頼んでくるもんだから正直驚いてしまった。
そんな大切な日に失敗は許されないしプレッシャーに打ち勝つ自信もないので、一旦はお断りをさせて貰ったのだが…。
友人がどうしても俺にピアノを演奏して欲しいと頼み込んできたので、仕方なく引き受けてピアノの練習をしたのだったが…。
ピアノに触れると楽しくなってしまい、今日の演奏も思いの外上手く弾くことが出来たのでは…?
と満足のいく演奏が出来たのだった。
そもそも俺、何でピアノをやめたんだっけ…?
と考えていると、段々とピアノの音色が近くに聞こえてきて、ふとある建物が目に入ってきたのだった。
「こんな所にこんな建物があったっけ…?」
そう呟きながら、赤煉瓦の壁には蔦がびっしりと絡まったレトロな雰囲気の建物を見つめていたのだった。
近付いてみると、窓にはカーテンは引かれておらず中からはオレンジ色の暖かい印象の光が漏れていた。
近付いてみると、窓にはカーテンは引かれておらず中からはオレンジ色の暖かい印象の光が漏れていた。
窓に近付きそっと中を覗いてみると…。
古めかしいチェストやテーブル。
それに絵画や陶器の置物などが沢山置かれており…。
人が住んでいるというよりは物置っぽいな…。
と思いグルリと回って建物の入り口を探していると、玄関のドアを発見したのだった。
玄関のドアは木製でドアの上の部分はガラス張りで格子状になっており、レトロな雰囲気のこの建物にピッタリなデザインだったのだ。
お洒落なデザインだな…。
と思って見ているとドアにプレートが下げられているのを見つけたのだ。
そのプレートに顔を近づけて見てみると、そこには〝Open〟と書かれてあった。
ドアの上の赤煉瓦の壁の部分を見ると、蔦の隙間には、
〝antique shop〟
という文字が見え、
アンティークショップ…?
えっ…?
ってか店なんだ…。
〝Open〟となっているが、今何時なんだろうか?
と思い、腕時計に目をやると時刻は22時前だったのだ。
こんな時間なのに、まだ店を営業しているんだ。
折角なので覗いてみようかな…?
と思い、ガチャッとドアを開けると…。
♪カラン〜カラン〜カラ〜ン〜♪
とドアベルが店内に鳴り響いたのだった。
ドアに取付けられた銅色のドアベルを見上げるとベルの上の部分には天使が乗っており、店の外観と合っていて可愛らしいデザインに思わず頬が緩んでしまったのだった。
店内にはピアノの音が鳴り響いており、奥に目をやるとオーディオのレコードプレイヤーが見え、
へぇ…。
やっぱりレコードだと音がいいな…。
なんて思いながらピアノの音色を聴きながら店内を見渡し、
「こんばんはー。
すみませーん。
店内を見せて貰いますねー。」
と一応声を掛けてみるのだが…。
返事はなく、聴こえるのはピアノの音と色んな種類の時計の針のチクタク…という音だけだったのだ。
店内には所狭しとアンティークの家具や絵、そしてテーブルの上には木枠のガラスケースや陶器の人形や置物にカップ…など色んな物が置かれていた。
ガラスケースを覗いてみるとアクセサリー類や時計が並べられてあり顔を近付けて、
うわー。
年代物だなー。
あ、これデザインが格好いいな。
こっちは色が綺麗だな。
などと思いながら見ていると…。
「いらっしゃーいませー。」
と店の奥の方から少し高めの声がした。
声のする方に顔を向けて見ると机…?
いや…カウンターらしき物があり、そこには椅子に座った店員らしき人が居たのだった。
先程店内を見渡した時にはあんな物あったっけ…?
と思いながら奥のカウンターらしき場所をチラチラと見て様子を伺っていると…。
カウンターに居るその人物は靴を脱いで両足を椅子の上にあげて体操座りの様な状態で、手にはゲーム機を持ちチラリと俺を見た後すぐに手元にあるゲームの画面へと視線を戻したのだった。
「あ、すみません。
お邪魔しています。
もう少し店内を拝見させて頂いても宜しいでしょうか?」
と聞くと、
「ああー、どうぞー。
お好きなだけ見ていってくださいよー。」
と、店員さんは相変わらず手元のゲーム機だけを見て、こちらを見る事もなくそう答えたのだった。
次々とガラスケースの中を見ていっていると、くすんだゴールドの枠のガラスケースが目に留まったのだった。
他のケースは蓋が開けられているが、そのケースだけしっかりと蓋が閉めらめており、中にはシルバーのフェザー形をしたネックレスが飾られていたのだ。
フェザーの形をしたペンダントトップの根本には紫の石がついており、
あ…。
このネックレスの石の色綺麗だな…。
と、ガラスケースの外から見つめていると突然、
「ああ。
お客さんお目が高いですねー。」
と背後から声が聞こえたのだった。
「え?」
と言いながら後ろを振り向くと、先程までゲームに夢中だった店員さんがいつの間にやら俺の後ろに立っていたのだった。
あ…。
このネックレスの石の色綺麗だな…。
と、ガラスケースの外から見つめていると突然、
「ああ。
お客さんお目が高いですねー。」
と背後から声が聞こえたのだった。
「え?」
と言いながら後ろを振り向くと、先程までゲームに夢中だった店員さんがいつの間にやら俺の後ろに立っていたのだった。
奥のカウンターに居た時には気付かなかったが、なかなか可愛らしい顔立ちをしたその人物は背はそんなに高くなく少し猫背で、色白の顔に綺麗な琥珀色の瞳で人懐こそうな笑顔が印象的な人だった。
白シャツに黒のベストを着て黒のズボンを穿き足元は黒の革靴と、ぱっと見はモノトーンで格好良くまとめているのだが、ゆったりしたサイズ感のベストにシャツの袖は少し長めで…いわゆる〝萌え袖〟ってやつで…そういう所が彼の可愛らしさをしっかりと引き出していて…。
白シャツに黒のベストを着て黒のズボンを穿き足元は黒の革靴と、ぱっと見はモノトーンで格好良くまとめているのだが、ゆったりしたサイズ感のベストにシャツの袖は少し長めで…いわゆる〝萌え袖〟ってやつで…そういう所が彼の可愛らしさをしっかりと引き出していて…。
この人って自分をよく分かっているんだな、と感心して見ていると、
「あ。
この格好…俺には似合わないでしょう?
「あ。
この格好…俺には似合わないでしょう?
着慣れなくて恥ずかしいんですよね。」
と肩をすくめてそう言うので、
「え?そうなんですか?
よくお似合いですよ。」
と言うと、
「ありがとうございます。
と肩をすくめてそう言うので、
「え?そうなんですか?
よくお似合いですよ。」
と言うと、
「ありがとうございます。
お世辞でも嬉しいです。」
と彼はベコッと頭を下げてそう言うので、顔を横にフルフルと振り、
と彼はベコッと頭を下げてそう言うので、顔を横にフルフルと振り、
「お世辞なんかしゃないですよ。
本当に貴方によく似合っていますよ。」
と彼にその服装が似合っている事を伝えると彼はふふっと微笑んだ後、
「そっかー。
やっぱり見立てはいいんだね…。」
と呟いたかと思うと俺の手元を指差し、
「まあ…その子が今日はこの格好でいるようにって言うもんだから。」
とそう言ってきたのだった。
ソノコ…?
ああ、ソノコさんという名前の彼女さんがそう言ったんだろうな?
と思っていると、
「んふふふふふ。
ああ、その子はお客さんの事が気に入っちゃったみたいですね。」
と言いながら俺の手元を琥珀色の潤んだ瞳で、ジッと見つめたままそう言ったのだった。
え?
何の事?
俺はソノコさんに気に入られたの?
「まあ…その子が今日はこの格好でいるようにって言うもんだから。」
とそう言ってきたのだった。
ソノコ…?
ああ、ソノコさんという名前の彼女さんがそう言ったんだろうな?
と思っていると、
「んふふふふふ。
ああ、その子はお客さんの事が気に入っちゃったみたいですね。」
と言いながら俺の手元を琥珀色の潤んだ瞳で、ジッと見つめたままそう言ったのだった。
え?
何の事?
俺はソノコさんに気に入られたの?
と首を傾げて自分の手を見ると…。
先程まで眺めていたはずのネックレスが、いつの間にやら俺の右手に握られており…。
ジュエリーケースの蓋は閉まったままで、開けた覚えもないのにネックレスを手にしている事に驚き、
「あ、いや。
えっ?あっ?はっ?
何でっ!?
あー、す、すみません。
勝手に手に取ってしまって…?」
混乱する頭でそう言うと、
「ああ。
いいんですよ、いいんですよ。
ウチの店はどんなに高価な品物でも、直接手に取りご覧になっていただきたいので。
そのネックレスは特にねーお値打ちモノなんですよ。
その子を手にしているという事は購入希望ですよね?」
んふふふふふ。
と笑いながら俺の隣にやって来ると、店員さんはそう言ったのだ。
「えっ?
えぇっ!?
コレって…もしかして…。
高価な代物なんですか…?」
と聞くと、
「ああ。
それはウチの店で1番高額商品でして…。」
と言いながらどこから持ってきたのか、電卓をカタカタカタカタッ…と弾き、
「はい、これ。」
と言って、俺に数字を見せてくれたのだ。
ええーと…。
いち•じゅー•ひゃく•せん•まん•じゅうまん•ひゃくまん•せんまん•いち…おく…?じゅう…!?…以下略。
目眩がしてクラ〜と目の前が真っ暗になっていると、
「んふふふふふ。
冗談ですよ。」
と楽しそうに笑いながら店員さんはそう言ったのだ。
「じょ…冗談だったんですね。」
とホッとしていると、
「実は…この子は売り物じゃないんですよ。」
と言うので、
「ああ、そうだったんですね。
それは失礼しました。
お返ししますね。」
と言いながらそのネックレスを手から離そうとするが、何故だか離れず…。
必死に右手から離れないネックレスを左手で壊れない程度の力で引っ張って離そうとしているが…。
接着剤でくっついたのっ!?
というくらい手にくっついたまま外れなくて困っていると、
「でもね、この子がどうしても貴方に貰って欲しいと言っているんですよね。」
と店員さんは意味不明な事を言ってきたのだった。
「はい?
この子が?ってどの子ですか?」
と聞くと、
「その貴方が手にしている子ですよ。」
と店員さんは俺の手に持たれているネックレスを指差してそう言った。
「ああ…。
この子ですか…?」
と言いながらネックレスを引っ張るが、手から離れず…。
ここまでくるとこのネックレスが呪いのネックレスに思えてきて何だか怖くなってきて…。
「あの…。
このネックレス手から離れなくて…ちょっと…怖いんですけど…。
まさか…呪いのネックレスとかじゃないですよね…?」
と恐る恐る聞くと…。
と恐る恐る聞くと…。
一瞬、手にしているネックレスの紫の石の色が少し黒っぽくなり色がくすんだ様な気がしたのだった。
「うわっ!!
「うわっ!!
い、色が変わりましたよね?」
とネックレスを何とか手から外そうとブンブン振りながらそう言うと、店員さんが呆れた顔をして、
とネックレスを何とか手から外そうとブンブン振りながらそう言うと、店員さんが呆れた顔をして、
「ハァーーッ。
……くん…。
そんなヘタレな奴の所に行って大丈夫なの?」
とため息をつきながらそう言ったのだった。
「あのぉー…。
『ヘタレな奴』って…?」
と念のために聞いてみると、
と念のために聞いてみると、
「ああ…これは失礼。
聞こえていましたか?」
と言うので頷いてみせると、
と言うので頷いてみせると、
「貴方の事ですよ。
だって貴方しかいないでしょう?」
と店員さんはしれっと失礼な事を言ってきたのだった。
初対面なのに『ヘタレな奴』とは失敬なっ!!
と言い返したかったのだが…。
実際問題俺は怖がりのビビりなので、
「おっしゃる通りです…。」
と言うしかないんだよな…。
「んふふふふふ。
実際問題俺は怖がりのビビりなので、
「おっしゃる通りです…。」
と言うしかないんだよな…。
「んふふふふふ。
怒らないんですか?」
と店員さんが面白そうに笑いながらそうきいてくるので、
と店員さんが面白そうに笑いながらそうきいてくるので、
「はあ…。
まあ…。
本当の事ですから…ね…。」
と答えると店員さんは、
「面白い人だ。」
とクスクスと楽しそうに笑っていた。
「…で、この子はどうすればいいんですか?」
と右手に握りしめたネックレスを店員さんの方に差し出しそう聞くと、
「…で、この子はどうすればいいんですか?」
と右手に握りしめたネックレスを店員さんの方に差し出しそう聞くと、
「まあ、とりあえず連れて帰ってあげてよ。」
ポンポンと俺の肩を叩くと、
ポンポンと俺の肩を叩くと、
「貸して。」
と言い、俺の手にあるネックレスに顔を近付けると、
「よかったね。
連れて帰ってくれるってよ。」
と言いそっとネックレスを撫でた後、店員さんがひょいっとネックレスを手に取ると、不思議な事に俺の手からネックレスが離れたのだった。
「えっ!?
ウソッ!?」
と驚いていると店員さんは俺の事なんか構わず、
「こっちに移動させからね。」
とネックレスに向かってそう言いながら、俺の首にネックレスをかけると、
「この子を毎日肌身離さずつけてあげてね。」
と真剣な顔をして俺の顔を見ながらそう言うので、それにつられて思わず、
「はい。
分かりました。」
と答えると、
「よし!!」
とウンウンと頷きながらそう言った後に、ゾクッと背筋が凍るほど冷たい顔をして、
「もし万が一…。
この子に何かあれば…俺はお貴方を許さないからな…。」
冷ややかな目で俺を見た後、俺の胸元にあるネックレスに左手でそっと触れると優しく微笑み、
「大切にして貰うんだよ。
元気でね。」
と話しかけたのだ。
と話しかけたのだ。
「さてと。
お客さん、ご来店ありがとうございました。
出口はあちらです。」
と帰る様に促されたので、
「あ、ネックレスの代金は?」
と聞くと、
「この子は先程も言った様に売り物じゃないんですよ。
出口はあちらです。」
と帰る様に促されたので、
「あ、ネックレスの代金は?」
と聞くと、
「この子は先程も言った様に売り物じゃないんですよ。
だから無料なの。」
と言うので、
と言うので、
「えっ?
でもっ!!」
と言うと、チッと舌打ちをし、
と言うと、チッと舌打ちをし、
「あのさー。
俺、これからイベントがあるので早く帰って貰ってもいいですか?」
と言いながらゲーム機を俺に見せると、反対の手でシッシッとされ追い払われてしまったので、そこまでされたらこの店を出て行くしかない訳で…。
と言いながらゲーム機を俺に見せると、反対の手でシッシッとされ追い払われてしまったので、そこまでされたらこの店を出て行くしかない訳で…。
「分かりました。
ネックレスもありがとうございました。」
と言いアンティークショップをあとにしたのだった。
アンティークショップ 〜紫の石〜
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