「潤…く…ん…?」



潤くんの名前を呼んで確認すると、潤くんは不思議そうな顔をして、



「そうだよ。
ねぇ。
かず、大丈夫なの?」


と心配そうな顔をして俺を見上げてきた。




「うん…。
大丈夫…だよ…。」


潤くんにそう答えたものの…。






ああ…。

俺はきっとさっきの翔ちゃんが潤くんを襲っているのを見て頭が混乱してしまって、目もきっとおかしくなってしまったんだな…。



となんて思っていると、



トントンッ



と部屋の扉を叩く音がした。








「翔ちゃんだな…。」


と呟くと潤くんがグイッと俺の両腕を掴むと、




「かずっ!!
俺が翔くんを好きだという事は内緒にしておいてくれる?」


と言った。



「え?
うん。
いいけど何で?」



と聞くと潤くんは、


「自分の口から翔くんに伝えたいから…。」


と頬を赤らめてそう言った。







うん。


そうだよね…。


やっぱりそういう事は自分で伝えないとね。


どこぞのヘタレとは大違いだよね。


潤くんの方がよっぽど男らしいじゃんっ!!






「うん。
分かった。
内緒にしておくね。」



と言うと潤くんは、




「かず、ありがとうっ!!」


と立ったままの俺のお腹の辺りにガバッと抱きついてきてそう言った。




そんな潤くんが何だか可愛くて、潤くんの頭を撫でてあげていると…。






「かずー。
かずのお腹、プニョプニョしていて気持ちいいーっ!!」


と潤くんがスリスリと頬を俺のお腹にすり寄せてそう言うもんだから、


「潤くん…。
『プニョプニョ』は余計なんだけど…。」



と言うと潤くんは俺を見上げて、



「ふふふふふ。
そうかな?」


と言うので、


「そうだよ。」


と少し拗ねた声でそう答えると潤くんは、



「かず…。
ごめんね…。

でもかずのお腹、とっても気持ちいいよ。」



と言いながら再び俺のお腹に頬をすり寄せてきたんだよね。





スリスリと頬をすり寄せてくる潤くんが脇腹にもスリスリとしてきたので、



「もうっ!!
潤くん、くすぐったいよー。」


クスクスと笑いながらそう言った瞬間…。





ガチャッ




と扉が開き、翔ちゃんがひょこっと顔を出して部屋の中を覗いてきた。




キョロキョロと部屋の中を見渡して、俺(のお腹)に抱きついている潤くんと潤くんの頭を撫でてあげている俺を見つけて翔ちゃんは一瞬固まっていた。





暫くフリーズしていた翔ちゃんが、低くてご機嫌斜めな声で、




「何してんの?」



と聞いてきた。






そんな翔ちゃんの様子を見て俺は潤くんに小声で、



「潤くん。
ちょっとこのままでいてくれる?」



と言うと潤くんは首を傾げて、何で?という顔をしたが俺が言う通り、そのまま俺のお腹に頬をすり寄せていていると翔ちゃんがズカズカと部屋の中に入ってきたかと思うと、俺と潤くんのいる所までやって来て、



「何やってんの?」




と眉間に皺を寄せて再度そう聞いてきた。







不機嫌な翔ちゃんを見て笑いが出そうになるのを我慢して、




「何って…。
潤くんを慰めてあげているんだけど。」




と言うと翔ちゃんはバツの悪そうな顔になりながらも、俺と潤くんをジッと見つめていた。
















⭐to becontinued⭐