俺の目を見つめたまま潤くんが、


「ねぇ。
かず…。」


と話しかけてきたので、



「潤くん、なぁに?」


と聞くと…。






「かずはさ…。
翔くんの事が好きなの?」

と予想外の事を聞いてきたので、



「はいっ!?」


と思わず聞き返すと、


「『はい』っていう事は…。
かずは翔くんの事が好きなんだ…。」


またもや潤くんが意味不明な事を言い始めた。




しかも潤くん…目に涙をためているし…。


どういう事っ!?




「ちょ、ちょっとっ待って潤くんっ!!
違うってっ!!」


潤くんの肩をガシッと掴んで、


「俺、翔ちゃんの事好きだけど、それは従兄弟としての好きであってLOVE の好きじゃないからねっ!!」

と必死に訴えると潤くんはパァーと嬉しそうな顔になり、


「かず。
それ本当っ!?」

と聞いてきたので、


「本当だよっ!!」


と答えると潤くんは、



「ああ。
良かった。」



と満面の笑みを浮かべてそう言った。








「あのぉー。
潤くんの話しって…。」


と聞くと潤くんは、


「俺の話しはかずが翔くんの事を好きかどうかを聞きたかったんだ。
俺、翔くんの事が好きなんだ。」


と答えた。








「あ…。
そうなんだ。」


と潤くんに言い、頭の中では、




えっと…。


それは俺が聞きたかった話しではなく…。


と考えていたのだが…。




えっ?


待ってっ!!


今、潤くん何て言った…?




潤くん、


『俺、翔くんの事が好きなんだ。』


って言ったよね…?










「えぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


ガタンッ




と音を立てて思わず椅子から立ち上がり、潤くんを見つめると、潤くんは首を傾げて、



「かず。
どうしたの?」


と聞いてきた。




立ち上がったまま身を乗り出し、



「潤くん、待ってっ!!
どうしたもこうしたもないよっ!!
今、翔ちゃんの事が好きだと言ったよねっ!?」



と潤くんに聞くと潤くんは、



「うん、言ったよ。」


とニコッと笑そう答えた。





「えっ!?
何でっ!?
翔ちゃんとまともに逢ったの今日がはじめてたよねっ!?」



まあ、今日もまともには逢っていないが…。


翔ちゃん潤くんの首にキスしてたもんな…。


あのど変態めっ!!



などと頭の中で思っていると潤くんはニコニコとしながら、


「あ、でも俺。
ショコラとはよく逢っていたし。
だから翔くんの性格はだいたい分かってるつもりだよ。」


と言った。




「潤くん、待ってっ、待ってっ!!
そこに何でショコラの名前が出てくるの?」

慌てて潤くんにそう聞くと、



「えっ!?
だってショコラは翔くんで、翔くんはショコラでしょう?」


と潤くんはキョトンとした顔で俺を見上げると、首を傾げてそう言ってきたのだ。







潤くんのその言葉を聞いて、




「はぁーーーーーっ!?」


と思わず叫んでしまった。







今までバレない様にしてきていたのに…。


何で潤くんにバレているのよっ!?


翔ちゃんが喋ったのっ!?


翔ちゃん、アナタ今日は余計な事し過ぎだからっ!!


あとで覚えてろよっ!!



と思っていると潤くんは、



「翔くんは何も言ってないよ?
でも俺には分かるんだ。」



そう言い、凄いでしょ?と言いそうな顔で俺を見つめてきたのだ。



「す、凄いけどショコラと翔ちゃんは違…「かず。俺には分かるんだよ。」」


ショコラと翔ちゃんは別人(犬?)と言おうとすると、潤くんは俺の言葉を遮り、



「だって…。
自分の愛する人を間違えたらなんかしないよ…。
俺、ずっとずっと探していたんだから…。」



とジッと綺麗な瞳で俺を見つめてそう言う潤くんは、まるで何だか別の人に見えてしまい…。

 



潤くんなんだけど…。





潤くんであって潤くんではない…綺麗な女の人に見えてしまい思わず、






「…アナタ…だ…れ…?」


と問うと、その人は俺の顔を覗き込んできて、




「かず。
何言ってんだよ。
俺だよ。
潤だよ。」


白い歯をニッと見せて笑っているその顔は先程までの女の人ではなく、間違いなく潤くんの顔だったんだ…。















⭐to becontinued⭐