深い深い海の… 〜24〜
夢を見ていた…。
何処までも何処までも、深い深い海の中を漂いながら俺は沈んでいて…。
其処は暗くて冷たくて寒くて…。
息も苦しくてもがいていると…。
フワリと誰かが優しく俺を抱きしめてくれた。
途端に息も苦しくなくなり、暗くて怖かった気持ちがスゥーーッと無くなったのだ。
その人は赤いお魚の足を…尾鰭をユラユラと揺らしながら泳いでいたんだ。
「潤さん…。」
と首を傾げて俺を見つめるその人は…。
二重のパッチリとした大きな瞳にぷっくりとした唇をした、可愛くて綺麗な顔立ちをした人で俺はその人の名を、
「翔くん…。」
とそっと呟くと、その人は花が咲いたかの様な綺麗な笑顔でギュッと俺を抱きしめてくれたのだ。
翔くん…。
俺の大切な人…。
何があっても守りたい人…。
「翔くん…。
これからもずっと一緒に居ようね。」
と言うと翔くんは嬉しそうに微笑んで、
「うん。」
と頷いてくれたのだった。
これは夢だと思うと大胆にもなれて…。
普段はこんな事はしないのだが…。
自分から翔くんの首元に腕を回しいつもよりディープなキスをすると、翔くんは一瞬驚いた顔をしたけども次の瞬間にはその綺麗な顔をほころばせると、ゆっくりと俺のキスを受け入れてくれたのだ…。
深い深い海の中で…いつまでもいつまでも翔くんと2人一緒に絡まりながら海の中をユラユラと漂っていたんだ…。
そう…ユラユラと…。
目を覚ますと目の前には、可愛くて綺麗な翔くんの顔があり翔くんは、
「潤さん、おはよう。」
と言うとおはようのキスをしてきたのだ。
俺も半分寝ぼけながらも翔くんに、
「しょう…く…ん…。
おは…よう…。」
とおはようのキスをすると翔くんが、
「潤さん。
とおはようのキスをすると翔くんが、
「潤さん。
俺、潤さんの夢を見たよ。」
と嬉しそうに、そう言ってきたのだ。
と嬉しそうに、そう言ってきたのだ。
「どんなゆめ…?」
と聞くと、
と聞くと、
「んー…。
俺が人魚の姿に戻っていて、潤さんと一緒に深い深い海の中をユラユラと漂っている夢だよ。」
と翔くんは教えてくれた。
「ふーん…。」
たら答えながらも…。
あれ…?
それって…。
「で…。
潤さんから熱烈なキスしてくれて、俺、超絶嬉しかったんだーっ!!」
翔くんは嬉しそうに俺の顔を見つめてそう言ったのだった。
えっ!?
ええっ!?
それは俺の夢じゃないのっ!?
そう思い、
「ちょっとっ!!
それ俺の夢じゃんっ!!
翔くん、俺の中に入ってきたんじゃあ…。」
元人魚の翔くんなので、もしかしたら和也くんの様に魔法が使えたりするのでは?
元人魚の翔くんなので、もしかしたら和也くんの様に魔法が使えたりするのでは?
と思い翔くんにそう言うと、翔くんは大きな目を更に大きく見開き、
「ええーっ!?
和じゃあるまいし。
俺、そんな事出来ないよ…。」
と言うと悲しそうな顔になり、
「もしかして…潤さん…。
俺の事を…疑っている…の…?」
と声を震えさせながらそう言うと、大きな瞳ををウルウルと潤ませていたのだった。
と声を震えさせながらそう言うと、大きな瞳ををウルウルと潤ませていたのだった。
翔くんのその顔を見て、
ま、まずいっ!!
と思い慌てて、
「えっ!?
あっ!?
翔くん、ご、ごめんね。
じょ、冗談たから。」
と言うと翔くんは、
翔くん、ご、ごめんね。
じょ、冗談たから。」
と言うと翔くんは、
「本当に…?」
と上目遣いでそう言ってきたので、
と上目遣いでそう言ってきたので、
「本当だよっ!!」
と言うと翔くんは、
「それなら良かった。」
と微笑みなからそう言ってくれたので、内心冷や冷やしたけれど翔くんが納得してくれて良かったとホッとしたのだった。
そろそろ起きようと思いベッドから起き上がり、ふと和也くんがあの日船の上で、
『今日は翔ちゃんの誕生日…。』
と言っていたのを思い出して…。
「翔くん。
そういえば、1月25日って翔くんの誕生日だったんでしょう?
お祝い出来なくてゴメンネ…。
遅くなったけど、今日にでもお祝いをしようよっ!!」
お祝い出来なくてゴメンネ…。
遅くなったけど、今日にでもお祝いをしようよっ!!」
と言うと、
「ははっ。
今年の誕生日祝いはしなくてもいいよ。
でも…。
誕生日祝いは来年の楽しみに取っておいてもいい?」
と翔くんはまだベッドに横たわったまま俺を見上げてそう言ってきたのだ。
何で今年はしなくてよくて来年なんだろう?
俺が眠り続けてしまっていたので、翔くんの誕生日から2週間以上経ってしまっているのが嫌だったのかな…?
と思い、
「来年の?」
と翔くんに聞くと翔くんは、
「うん。
来年も潤さんと一緒に居れるといいな…と…思って…。」
なんて可愛い事を言ってきたんだ。
「翔くん…。」
翔くんの顔を覗き込み、
「そんなの当たり前だよ。
来年も再来年もその次の年も…。
俺はずっとずっと翔くんと一緒に居て、翔くんの誕生日をずっとずっとお祝いするから。」
と言いながら翔くんの頬を右手でそっと撫で、
「ねっ。」
と言うと、翔くんの大きくて綺麗な瞳に水分が含まれてユラユラと揺れていた。
翔くんは俺の右手に自分の左手をそっと重ねると、
「潤さん…。
ありがとう。
嬉しいよ…。」
満面の笑みを浮かべてそう言った。
いつまでもこうしていたいけど、食いしん坊の翔くんお腹を空かせているだろうし、そろそろ誰かがお越しに来そうだな…。
と思い、
「さてと。
「さてと。
翔くんも起きようか?」
と言うと翔くんはベッドの上から俺に、
と言うと翔くんはベッドの上から俺に、
「潤さーん。
起こしてよぉー。」
と甘えた声で両手を広げてそんな可愛い事を言うもんだから、
と甘えた声で両手を広げてそんな可愛い事を言うもんだから、
「もう。
しょうがないなー。」
と口ではそう言いながら翔くん抱き起こしてあげると、翔くんはギュッと俺に抱きついてきて、
と口ではそう言いながら翔くん抱き起こしてあげると、翔くんはギュッと俺に抱きついてきて、
「潤さん、愛してる。」
と言いながら俺の胸に顔を擦り寄せて来たのだった。
「俺もだよ…。」
と言うと翔くんの顔が近付いてきた所で、
と言うと翔くんの顔が近付いてきた所で、
「おっはっよぉーっ!!
翔ちゃんっ!!
潤ちゃんっ!!
ご飯だよぉーっ!!」
と朝からテンションの高い雅紀くんが部屋へと入って来たので、慌てて翔くんから離れようとするのだから、翔くんはギュッと俺に抱きついたまま離れてくれず…。
と朝からテンションの高い雅紀くんが部屋へと入って来たので、慌てて翔くんから離れようとするのだから、翔くんはギュッと俺に抱きついたまま離れてくれず…。
こんなところを雅紀くんに見られて俺は恥ずかしくて、
「あははは。
ま、雅紀くん。
おはよう。」
と言うので精一杯だったのだ。
と言うので精一杯だったのだ。
リビングへと向かうと既に朝食の用意がされており、大野さんと和也くんが俺達が来るのを待っていてくれたのだった。
全員揃い、
「「「「「いただきますっ!!」」」」」
と手を合わせて大野さんの作ってくれた朝食を5人で食べたのだった。
(雅紀くんも手伝ってくれたらしい。)
「雅紀のバカッ!!
折角いい所だったのに…。」
「えっ?えっ?えっ?
翔ちゃん、何がいい所だったの?」
「まーくん、野暮な事を聞くんじゃありませんよ。」
翔くんと雅紀くん、そして和也くんのやり取りを微笑ましく見ていると、
「アイツら揃うと賑やかだなー。」
と大野さんがお茶を啜りながらのんびりとした声でそう言った。
「ふふふ。
そうだね。」
と言うと、
「俺は今日戻るから。
多分、和也とまーくんも一旦海に帰るんじゃないかな?」
と言ったので、
「えー。
寂しくなるなー。」
と言うと大野さんがニヤニヤとしながら、
「まー、折角だから翔くんとラブラブすればいいじゃないか。」
なんて言ってくるもんだから、手元にあったクッションを投げつけて、
「大野さん、余計なお世話だわっ!!」
と言うと大野さんはふんわりとした笑顔で、
「んふふふふふ。」
と笑っていた。
朝食を食べ終わると大野さんが言っていた通り、和也くんと雅紀くんも一旦帰ると言い、途中まで大野さんに送って貰うらしく大野さんの車に乗り込んで3人は帰っていったのだった。
大野さんの車が見えなくなるまで翔くんと2人で手を振り見送り、
「さてと。
家に入ろうか?」
と言うと翔くんはニッコリと微笑み、
「うんっ!!」
と言い、翔くんは俺の手を取ると2人で家の中へと入ったのだった。
⭐to becontinued⭐
いつもお話を読んでくださって、ありがとうございます
翔くんのドラマ〝ネメシス〟楽しみですね
気鋭の推理小説家さん達がトリックを監修しているうえに、翔くんはポンコツ探偵だなんてどんなドラマになるのか早く見たいですね
これはブログスタンプあまりにも可愛かったので載せちゃいました
↓
お気に入りの猫写真、見せて!
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