深い深い海の… 〜16〜
「翔くんっ!!」
翔くんの閉じ込められたシャボン玉を両手でドンドンッ!!と外から叩くが、まるで分厚いガラスのようで全くびくともせず、翔くんも中からバンバンッ!!と叩いているが中からも割れる気配がなく…。
「和也くんっ!!
どういう事っ!?
翔くんを早く出してあげてよっ!!」
と和也くんに詰め寄るが、和也くん涼しい顔をして、
「まあまあ。
そんなに焦らないでくださいよ。」
と閉じ込められた翔くんと俺を見比べて楽しそうにそう言った。
「なんだありゃあ…。
潤…。
翔くんは人魚だったのか?」
と大野さんののんびりとした声が聞こえたので振り向くと、大野さんは雅紀くんと一緒に緑色の球状の光に包まれて浮かんでいた。
「大野さん…。
翔くんのお魚の足が見えるの…?」
と聞くと、
「ああ。
あのシャボン玉みたいなのに翔くんが入った途端に、翔くんの足が魚の足になって人魚になったんだよなー。」
と大野さんは首を傾げながらそう答えた。
「俺もよく分からないけど、翔くん達は人魚だったみたい。」
「ん?
翔くん達…?」
と大野さんに聞き返されてよくよく見ると、和也くんも雅紀くんも海を泳いでいた時にはお魚の足だったのに、今は人間の足になっていたのだ…。
不思議に思い交互に和也くんと雅紀くんを、どういう事?と思いながら見ていると、
「ふーん。
まあ、あの赤い尾鰭も翔くんに似合ってるよなー。
大野さんもふんわりと笑いながら俺を見つめると、
「潤、そうやって笑ってろ。
「全く…。
まーくんは邪魔ばっかりするんだから…。
どっちの味方なのか分かったもんじゃない…。」
と和也くんは呆れた顔で雅紀くんの方を見つめてそう言った。
と、和也くんはクスリと笑い、
「まあ、不思議間に思うのは仕方ないですよね…。」
と和也くんに聞くと、
「俺、潤くんの家に行った時に、翔ちゃんに薬を渡しましたよね?
「あの瓶に入った赤くて透明な薬の事?」
「まあ、今は海の魔女の話よりももっと面白い話をしてあげますよ。」
そう言いながら、ゆっくりと俺に近付いてきたのだ。
「そうですね…。
「潤くん、貴方のココには赤いハート形をした痣がありますよね…?」
と言うと、和也くんは左手の人差し指でトンットンッと俺の左肩に触れたのだった。
⭐to becontinued⭐
「翔くんっ!!」
翔くんの閉じ込められたシャボン玉を両手でドンドンッ!!と外から叩くが、まるで分厚いガラスのようで全くびくともせず、翔くんも中からバンバンッ!!と叩いているが中からも割れる気配がなく…。
「和也くんっ!!
どういう事っ!?
翔くんを早く出してあげてよっ!!」
と和也くんに詰め寄るが、和也くん涼しい顔をして、
「まあまあ。
そんなに焦らないでくださいよ。」
と閉じ込められた翔くんと俺を見比べて楽しそうにそう言った。
「なんだありゃあ…。
潤…。
翔くんは人魚だったのか?」
と大野さんののんびりとした声が聞こえたので振り向くと、大野さんは雅紀くんと一緒に緑色の球状の光に包まれて浮かんでいた。
「大野さん…。
翔くんのお魚の足が見えるの…?」
と聞くと、
「ああ。
あのシャボン玉みたいなのに翔くんが入った途端に、翔くんの足が魚の足になって人魚になったんだよなー。」
と大野さんは首を傾げながらそう答えた。
「俺もよく分からないけど、翔くん達は人魚だったみたい。」
「ん?
翔くん達…?」
と大野さんに聞き返されてよくよく見ると、和也くんも雅紀くんも海を泳いでいた時にはお魚の足だったのに、今は人間の足になっていたのだ…。
不思議に思い交互に和也くんと雅紀くんを、どういう事?と思いながら見ていると、
「ふーん。
まあ、あの赤い尾鰭も翔くんに似合ってるよなー。
色っぺーなー。」
と言いながら翔くんを見つめながら大野さんはそう言った。
こんな時にこの人は何言ってるんだか…。
と言いながら翔くんを見つめながら大野さんはそう言った。
こんな時にこの人は何言ってるんだか…。
と思わずクスッと笑ってしまった。
大野さんもふんわりと笑いながら俺を見つめると、
「潤、そうやって笑ってろ。
怖い顔してると翔くんに嫌われるぞ。」
と真剣な顔をしてそんな事を言ってくるもんだから、
「大野さん、こんな時に何言ってんだよ。」
と言うと、
んふふふふふ。
と大野さんは笑い、
「それよりも潤にはもしかして翔くんのあの魚の足が見えていたのか?」
と聞いてきたので、
「うん…。
見えていたよ…。」
と答えると大野さんは、
「じゃあ、翔くんにとっても潤は特別だっだんしゃねーの?
潤、自分に自信を持ってまあ頑張れや。」
とふんわりと笑うとそう言った。
すると雅紀くんが、
「船長さんもそう思う?
僕もそう思ってたんだよっ!!
潤ちゃん、翔ちゃんをお願いねっ!!」
なんて目をウルウルさせて言うと、和也くんが、
「まーくんっ!!
余計な事は言わないっ!!
アナタ、ルール違反になるよっ!!」
と言うと雅紀くんは、
「えっええっ!?
和くん、ごめんね、ごめんね…。
でも僕は余計な事を何も言ってないよ…ね…?」
とオロオロしながらそう言うと、和也くんが雅紀くんに、
「まーくんもういいからっ!!
まーくんは大野さんとそのまま少し離れた所に行ってっ!!」
と叫んだ。
と聞いてきたので、
「うん…。
見えていたよ…。」
と答えると大野さんは、
「じゃあ、翔くんにとっても潤は特別だっだんしゃねーの?
潤、自分に自信を持ってまあ頑張れや。」
とふんわりと笑うとそう言った。
すると雅紀くんが、
「船長さんもそう思う?
僕もそう思ってたんだよっ!!
潤ちゃん、翔ちゃんをお願いねっ!!」
なんて目をウルウルさせて言うと、和也くんが、
「まーくんっ!!
余計な事は言わないっ!!
アナタ、ルール違反になるよっ!!」
と言うと雅紀くんは、
「えっええっ!?
和くん、ごめんね、ごめんね…。
でも僕は余計な事を何も言ってないよ…ね…?」
とオロオロしながらそう言うと、和也くんが雅紀くんに、
「まーくんもういいからっ!!
まーくんは大野さんとそのまま少し離れた所に行ってっ!!」
と叫んだ。
「和くん、分かったよ…。」
と寂しそうに答えた後、雅紀くんは俺を見ると笑顔でブンブンと両手を振り、
「潤ちゃん、船長さんは僕が守ってるから大丈夫だからねーっ!!」
と言い、大野さんと雅紀くんを包み込んでいる緑色の球状の光は俺達から離れていったのだ。
「全く…。
まーくんは邪魔ばっかりするんだから…。
どっちの味方なのか分かったもんじゃない…。」
と和也くんは呆れた顔で雅紀くんの方を見つめてそう言った。
「雅紀くんにもあの光の球状のモノが作れるんだ。」
と聞くと、
「まーくんも一応、海の魔女の端くれたからアレだけは出来る様に特訓したんですよ。
アレはバリアの様なモノだから、あの中に居れば安全ですからね。」
と教えてくれた。
「あと…。
海の中を泳いでいた時って、和也くんと雅紀くんは人魚の姿だったよね?
何で今は違うの?
何でさっきまで人間の姿だった翔くんが人魚の姿になっているの?」
と気になっていた事を一気に和也くんに聞くと、
「潤くんは『何で、何で』ばっかりですね。」
と、和也くんはクスリと笑い、
「まあ、不思議間に思うのは仕方ないですよね…。」
と言った。
「なぜ俺とまーくんが今、人間の足になっているかというと、我々は海の魔女だから人魚の中でも特別なんですよ。
海の中でも陸地でも、人魚の姿と人間の姿を自分の意思で使い分ける事が出来るんです。
翔ちゃんは…。
今はあの泡の中に居るから、薬の効力が効かないんですよねー。」
と言った。
「海の魔女…って…?
と言った。
「海の魔女…って…?
薬の効力って…?」
と和也くんに聞くと、
「俺、潤くんの家に行った時に、翔ちゃんに薬を渡しましたよね?
覚えていますか?」
と言われて、和也くんが翔くんをウチで預かって欲しいと言ったあの雨の日…。
と言われて、和也くんが翔くんをウチで預かって欲しいと言ったあの雨の日…。
和也くんが翔くんの荷物と一緒に赤くて透明な薬が入った瓶をコトンッとローテーブルの上に置いたのを思い出した。
「あの瓶に入った赤くて透明な薬の事?」
「そう。
あれは翔ちゃんの姿が人間に見える様にする為の、海の魔女特製の薬だったんですよ。」
「そうだったんだ…。」
そっかあれは、翔くんの姿を人間に見える様にする為の薬だったんだ…。
あれ…?
でも、途中から俺には翔くんの姿は人魚に見えていたよね…?
何でだろう?
いつからだっけ…?
そして海の魔女ってなに…?
と思い、
「和也くん、海の魔女って一体なんなの?」
と聞くと和也くんは、
ふふふ。
と笑うと、
「まあ、今は海の魔女の話よりももっと面白い話をしてあげますよ。」
そう言いながら、ゆっくりと俺に近付いてきたのだ。
「そうですね…。
人魚の王子様の話の話なんてどうですか…?」
と言い、話し始めたのだった…。
深い深い海の底には人魚の国があり、其処には赤い尾鰭を持つ人魚の王子様が居ました。
好奇心旺盛な王子様は深い深い海の中だけでは飽き足らず、陸地に住む人間の世界にも興味を持ち、色んな人間を深い深い海の底にある海の魔女の館に忍び込んでは人間の世界を見る事の出来る水晶を使って、来る日も来る日も眺めていたのです。
そんな夏のある日、人魚の王子様はいつもの様に海の魔女の館に忍び込み、人間の世界を見る事の出来る水晶玉で人間達を観察していたのです。
と言い、話し始めたのだった…。
深い深い海の底には人魚の国があり、其処には赤い尾鰭を持つ人魚の王子様が居ました。
好奇心旺盛な王子様は深い深い海の中だけでは飽き足らず、陸地に住む人間の世界にも興味を持ち、色んな人間を深い深い海の底にある海の魔女の館に忍び込んでは人間の世界を見る事の出来る水晶を使って、来る日も来る日も眺めていたのです。
そんな夏のある日、人魚の王子様はいつもの様に海の魔女の館に忍び込み、人間の世界を見る事の出来る水晶玉で人間達を観察していたのです。
すると…人魚の王子様は、海の魔物に襲われている1人の人間の男の子を見つけたのでした。
その男の子はとても綺麗な子で…。
見た目は勿論、心も魂も綺麗な子だったんです。
海の魔物は見た目は勿論、心も魂も綺麗な人間が大好物で海にやってきた所を狙ってその人間の身体も魂も喰らうのでした。
その男の子も海の魔物に狙われて、深い深い海の中へと引きずり込まれてしまいました。
人魚の王子様は慌てて海の魔女の館を飛び出すと、深い深い海の中を泳いでその子を探したのです。
その男の子はとても綺麗な子で…。
見た目は勿論、心も魂も綺麗な子だったんです。
海の魔物は見た目は勿論、心も魂も綺麗な人間が大好物で海にやってきた所を狙ってその人間の身体も魂も喰らうのでした。
その男の子も海の魔物に狙われて、深い深い海の中へと引きずり込まれてしまいました。
人魚の王子様は慌てて海の魔女の館を飛び出すと、深い深い海の中を泳いでその子を探したのです。
やっとの思いでその男の子を探し出し、海の魔物の魔の手から助け出したのですが…。
しかしその男の子は…。
しかしその男の子は…。
魔物に生気を吸われたうえに、人間には息も出来ない深い深い海の中でその男の子は海の魔物から逃げる為にかなりの体力も消耗しており
助け出した時には虫の息だったのです…。
そこで人魚の王子様はその人間の男の子の命を助ける為に、あるモノを男の子に与えてあげたのです。
「ねえ、潤くん…。
それって何だと思う…?」
和也くんは俺の目をジッと見つめるとそう聞いていたのだった。
「何って…?
「ねえ、潤くん…。
それって何だと思う…?」
和也くんは俺の目をジッと見つめるとそう聞いていたのだった。
「何って…?
俺には分からないよ…。」
と答えると和也くんは、
「ふーん…。
潤くんには分からないんだ…。」
と言いながら俺をジッと見つめてきた。
と答えると和也くんは、
「ふーん…。
潤くんには分からないんだ…。」
と言いながら俺をジッと見つめてきた。
和也くんは何の事を言ってるんだろうか…?
俺にはサッパリ分からないんだけど…。
と思っていると…。
「潤くん、貴方のココには赤いハート形をした痣がありますよね…?」
と言うと、和也くんは左手の人差し指でトンットンッと俺の左肩に触れたのだった。
⭐to becontinued⭐