触れるだけの口づけを何度も何度もしているうちに、少しずつ少しずつ深い…深い口づけへと変わっていった。



潤とのその行為はとてつもなく気持ちがよくて…。




それでいて…。





ああ…懐かしい…。


なんて思ってしまう自分もいた。



深い口づけをしながら両手で潤の綺麗な顔を包み込み、更に深い深い口づけをした。













どれくらいの間、潤との口づけを味わっていたのだろうか…。







甘い、甘い…口づけと、甘い、甘い…花の香りで頭が痺れてきてクラクラとするので、一旦潤から顔を離すと潤はゆっくりと目を開け、トロンとした瞳でオレを見つめてきて、


「ねえ…。
もう…おしまい…なの…?」


と色っぽく赤く彩られた唇で潤がそう呟くのをジッと見つめ、その綺麗で美しいけれど妖艶な姿にゴクリと唾を飲み、


「いや…。
まだ、まだ…、だよ…。」


と答えた。












潤の大きくて綺麗な瞳に見つめられていると、なんだか目が離せなくなってしまい…。




この綺麗な瞳をオレは知っている…ような気がする…。






って、当たり前か。

ここ最近オレはずっとショコラとして潤と逢っていたんだから。







でも…。


今、ではなくて…。

もっと、もっと…。


ずっと、ずっと…。


昔、昔に…?



頭の中でごちゃごちゃと色んな事を考えていると…。






潤の顔が再び少しずつ少しずつオレに近付いてきた。






スッと目を閉じた潤の睫毛は長くて…。


目を閉じても潤は綺麗だなぁ…。





なんて思いながら少しずつ近付いてくる潤の顔を眺めていると、潤の柔らかい唇がオレの唇に触れてきた。



潤の赤く彩られた唇を味わいながら、先程見た潤の左首にあった綺麗な桜の花にそっと指先で触れ、そして潤から唇を離すと潤の白くて綺麗な首に咲く桜の花に口づけを落としていった。





先程、犬のショコラの姿でいた時には、見たくないのなら噛み付いてしまえばいいのだ…、なんて怖い事を思っていたのに、今はこの桜の花が…そして潤を愛おしく感じてしまい夢中で口づけをしていると、





「ん…、んん…。」

「あっ、ああ…。」




「ん…。
あっああっ…。」



と潤から色っぽい声が漏れ、オレの背中に回された手にグッと力が込められた。







潤からは放たれる甘い…甘い花の香りがより一層濃くなり、オレはその香りに更に興奮してしまい…。





チュッ

チュッ

チュッチュッ…


と音を立てながら潤の桜の花に口づけをし、時折潤の耳元を舌で舐め上げて潤から放たれる甘い…甘い花の香りと潤を堪能していると…。






















カラカラカラカラッ

ガラス障子の開く音がした。







  




「潤くーん、ショコラー、い…」


と言いながら和が部屋へと入ってきたのだ…。


「…るぅっ!?」


と驚いている和の声が聞こえてきて、その声でオレは現実に引き戻されたのだ。









あ…。ヤバイ…。




これはマズイぞ…。







と頭では思うが、身体は潤を求めてしまいそのまま口づけを続けていると…。







ドタドタドタという足音が聞こえたかと思うと、




「ちょっとぉーっ!!
翔ちゃん、アナタ潤くんに何て事をしてんのよっ!!」


と言う和の怒鳴り声と共に、物凄い勢いで潤から引き離され、


「しかも真っ裸でっ!!
このっ!!
ど変態っ!!」





パコーーーーンッ!!!




和の足元に散らかっていた雑誌で思いっきり頭を叩かれ(はたかれ)たのだ。














ああ…和のおっしゃる通りです…。


ぐうの音も出ないです…。












⭐to be continued⭐