皆様、あけましておめでとうございます。



皆様はどの様なお正月を過ごされましたか?





僕達は…。

神様の眷属(使者)のかずと僕は拝殿の前で狐の像の姿でお仕事を頑張り、しょおくんはお家の神社のお手伝いで忙しく過ごしました。


今年も〝櫻乃神社〟に参拝に訪れた人が多くて、かずも僕もこだまちゃんとの〝ティータイム〟を我慢して頑張りました!!



そんなお正月が過ぎてのんびりとした日がやってきたかと思ったのですが…。










学校はまだお休みで神社のお手伝いをする筈のしょおくんが、今日は神社のお手伝い用の白衣(白い着物)に袴姿ではなく暖かそうな上着を着て普段着姿で拝殿に現れたのです。





「和、潤、おはよう。」


しょおくんの姿を見たかずは人の姿に変化(へんげ)して、狐の像の台座からいつものようにクルリと一回転をしてシュタッと地面に着地しました。




僕も人の姿に変化するといつものように、


「よいしょっ。
よいしょっ。」

と台座につかまり右足、左足…とそろーりそろーりと台座から下りました。


台座から下りたかずと僕はしょおくんの元へと行き、

「しょおくん、おはようございますっ!!」


「おはよー。」

と挨拶をしました。





しょおくん白衣に袴姿も格好いいけど、普段着姿も格好いいですっ!!



しょおくんを見つめていると、



「なに?
今日は神社の仕事をサボるの?」


かずが何だかいつもより少し低い声でしょおくんに聞いていました。




かずの声が何だか変…。


かず…寒くなったから風邪ひきさんになったのかな…?


と心配していると、


「雅紀が体調崩したらしくて、今からお見舞いに行くんだよ。」


としょおくんが言いました。



「えっ!?
相葉さんも風邪ひきさんなんですかっ!?」



思わずそう言うと、


「相葉さんも?って、他にも誰か風邪を引いてるの?」


としょおくんに聞かれました。


「さっき、かずの声が変だったからかずも風邪ひきさんかと思って…。」


と言うとかずが、


「潤くん、俺は違うよ…。
でも心配してくれて、ありがとうっ!!」


と言いながらギュッと抱きついてきました。





うん、かずの体温はいつもと同じです。


と思いながらかずをギュッと抱きしめ返すと…。








「ゴホッ、ゴホンッ!!」


しょおくんが咳き込んでいました。



「えっ!?
しょおくんも風邪ひきさんなんですかっ!?」



と聞くと、



「あーっ。
喉が痛いなー。」


ゴホッゴホンッとしょおくんは咳をしていたので、


「かずごめんね…。」


かずからそっと離れてしょおくんの元に行き、しょおくんの形の良いおでこにそっと手を当てました。







ん…?


んん…?


んんん…?











「しょおくん…。
いつもの体温みたいなんですけど…。」



不思議に思いながらしょおくんの顔を見つめると、



「あれ?
おかしいな?
喉の調子がおかしかったような気がしたんだけど、気の所為だったみたいだなー。」


喉のさすりながらしょおくんはそう言いました。



大丈夫かな…?


と思いながらしょおくんを見つめていると、



「嘘つきめ…。」


とかずが小さな声で呟いたのです。






かずに何が『嘘つき』なのか聞こうとすると、



「それより相葉さんは大丈夫なの?」

かずがしょおくんに相葉さんの体調がどうなのかを聞いていたので、僕は何の事をかずが『嘘つき』と言ったのか分からないままで…。




「ああ。
熱があって咳も出るみたいなんだよな…。
風邪ひいて心細いのかお見舞いにきて欲しそうだったんで、よかったら2人も一緒に行かない?」



しょおくんが誘ってくれたのですが…。










「行きたいんですけど…。」


「だけどねー…。」


かずと顔を見合わせて困っていると、拝殿の方からカランコロン…と下駄の音がして、



「翔ちゃん、すまないねー。
そいつらは一緒に行けないんだ。」


と言うのんびりとした神様の声が聞こえました。






声の方を3人が振り返ると、白猫の嵐を抱っこした神様が僕達の方へとやって来ました。



「えっ?行けないの?
神様、何で…?」


としょおくんが神様に聞くと、



「和と潤はおいらの眷属で、それでもっておいらの張ったこの〝櫻乃神社〟と〝櫻井家〟の結界も守ってくれる役割をしているので、こいつらが留守にすると結界の効力が半減してしまうんだよな…。

と神様はしょおくんに説明をしました。



そうなんです…。  

かずと僕は神様に仕える身なので、実はこの〝櫻乃神社〟と〝櫻井家〟のある場所の結界を守るお仕事もしているんです。



なのでその範囲以外の所に行く事が出来ないんです…。




しょおくん、ごめんなさい…。







神様の説明を聞いたしょおくんの顔が何だか曇ってしまい…。



「そっか…。
無理なんだ…。
仕方ないよな。」


と寂しそうに言うんです…。





「翔ちゃん、すまない…。
普段ならおいらの力で何とかして和と潤を行かせる事が出来ない事はないんだけど…。
今回は年末年始でおいらも色んな事に力を使っちまってるので、おいらの1人の力では結界を守れなくて…。
だから、和と潤を行かせる訳には行かないんだ…。」


神様は申し訳なさそうにしょおくんにそう言いました。







何だか気まずい雰囲気の中、








「あっ!!
だったらお見舞いにお花を相葉さんに持って行ってよっ!!」




かずがそう言いました。





「今から俺と潤くんでお花を摘んでくるからさ。
ねっ、潤くんっ!!」



その考えいいなっ!!


と思い、



「うん。
かず、それいいねっ!!」


かずにそう言うと、かずが、




「あっ!!
あと咳が出て喉が痛いんなら、こだまちゃんに頼んで〝はちみつ大根〟も作って貰おうか?
潤くんもいつもアレで喉の痛み引いているよね?」


と言いました。



「うんっ!!
かず、〝はちみつ大根〟いいと思うよっ!!
折角だから、僕達もこだまちゃんと一緒に作ろうよーっ!!」




とかずに言うとかずは、


「うん、そうだねー。
潤くん、そうしようっ!!」


とニッコリと微笑みながらそう言いました。






喉の弱い僕は喉が痛くなるといつもこだまちゃんに、〝はちみつ大根〟を作って貰って飲むんです。


角切りにした大根をはちみつに漬けて、大根の水分が出たはちみつをお湯に入れたりお紅茶に入れたりして貰って飲んでいるんです。



そうすると喉の痛みも和らいでくるので、きっと相葉さんの喉も楽になると思いますっ!!




それを聞いていたしょおくんが、



「花はウチの庭にもあるから、取り敢えずウチに来てから雅紀のお見舞いの準備をすれば良いよ。」


と言ってくれたので、


「かず、そうしようか?」


とかずに聞くとかずは、



「うん。
そうだね、潤くん。」





と答えてくれたので僕達は参道を通り抜け、長い長い石段と沢山の鳥居をくぐり抜けて、こだまちゃんのいる櫻井家へと向かったのでした。














⭐to becontinued⭐











相葉ちゃんの体調が早く良くなりますよ〜に〜照れキラキラ