こだまちゃんの家に到着してから、潤くんと一緒に手洗いとうがいを済ませるとこだまちゃんの待っている台所へと向かった。
「じゃあ、和ちゃん、潤ちゃん、エプロンをつけてくださいねー。」
とこだまちゃんに言われ、台所の壁にかけられている自分達用のエプロンを身に付けた。
(着物が汚れるので割烹着なんだかどね。)
「こだまちゃん、何作るのー?」
と潤くんが聞くと、
「今日はクリスマスイブなので、クリスマスケーキを作りまーすっ!!」
とこだまちゃんが答えた。
「今日ってクリスマスイブなの?」
とこだまちゃんに聞くと、
「そうよ。」
とこだまちゃんが答えてくれて、
「だから今日はご馳走も作るのよー。」
と言うとこだまちゃんは、着ているセーターを腕まくりした。
クリスマスイブ…か…。
クリスマスイブは…。
と思っていると潤くんが、
「あれ?
お誕生日ケーキじゃないの?」
とこだまちゃんに尋ねた。
「えっ?
お誕生日ケーキ?」
とこだまちゃんがキョトンとして、潤くんに聞き返すと、
「だって、今日は相葉さんのお誕生日なんでしょう?
この間相葉さんのお誕生日を聞いたら、クリスマスイブの日だって言ってたよ。」
と潤くんはニコニコとしながらそう答えた。
潤くん、余計な事を言わなくていいのよっ!!
と思い慌てて、
「ちょっとっ!!
潤くんっ!?」
と言うと、
「あら、そうだったの?」
とこだまちゃんが俺と潤くんの顔を見ながらそう言った。
「うんっ!!
そうなのーっ!!」
とニコニコとしながら答える潤くんの横でコクンと頷くと、
「じゃあ、和ちゃんと潤くんは相葉くんのお誕生日ケーキを作る?」
とこだまちゃんが潤くんと俺に聞いてきた。
「えっ!?」
と思わず声が出てしまった俺の横で潤くんは、瞳をキラキラとさせて、
「こだまちやん、いいのぉー?」
とこだまちゃんを見た後、チラリと俺を見て、
「和、良かったね。」
と囁いた。
「実はね…。
ケーキを作る材料の分量を間違えて、少し多めに用意しちゃったのよー。」
とこだまちゃんは舌をペロリと出してそう言うと、
「こだまちゃん。
相葉さんのお誕生日ケーキ作りたいっ!!
ねっ!!和っ!!」
と潤くんがあまりにも嬉しそうに言うもんだから、つられて思わず、
「うんっ!!」
と答えてしまった…。
うん、潤くんにつられて答えただけだよ。
本当に…。
するとこだまちゃんが、
「じゃあ、和ちゃん、潤ちゃん。
相葉くんのお誕生日ケーキ作りをお願いしまーすっ!!」
と言うと、
「相葉くん、どんなケーキがいいのかな?」
と聞いてきた。
相葉さん、あの人甘い物が好きそうだから、
「チョコレートケーキ…かな…?」
と答えると、
「じゃあ、チョコレートで決定ね。
まずはチョコレートを湯煎で溶かしていこうか?」
と言うと、こだまちゃんは手際よく準備を始めたのだった。
「じゃあ、和ちゃんまずはチョコレートを包丁でこうやって細かく刻んでね。」
とこだまちゃんはまな板の上で、トントントントン…とチョコレートを刻むと、
「はい、和ちゃんお願いします。」
と言い包丁を渡された。
トントントントン…
とチョコレートを刻み、ボウルの中に入れて湯煎にかけて溶かして…。
とこだまちゃんに言われるがままにチョコレートケーキ作りを進めていった。
ふと気がつくと、潤くんは何故だかクッキーを作っていた。
「潤くん、何でクッキー作ってんのよ?」
と聞くと、
「あ…。
あのね、かずは器用だから1人でもケーキ作りが出来るかな…?と思って…。」
と何だかオロオロとしながらそう答えると、
「ねっ。
こだまちゃん。」
とこだまちゃんに助けを求めていた。
「そうそう。
ほら、潤ちゃんのクッキーなかなかいいでしょう?」
と焼き上がったクッキーをこだまちゃんが俺に見せてくれた。
お皿の上には潤くんが作った星の形やクリスマスツリーの形をしたクッキーが並んでいて、
「うん。
潤くん凄いじゃんっ!!
可愛いクッキーが出来たねっ!!」
と言うと、
「かず、ありがとう。」
と潤くんは尻尾をブンブンと振りながら嬉しそうに微笑んだ。
「和ちゃんは、チョコレートケーキ作りの続きをがんばりましょうーっ!!」
と言われて、その後も俺はこだまちゃんに教わりながらチョコレートケーキ作りを続けたのだった。
⭐to becontinued⭐