んっ!?

犬用の手作りクッキー?



どこかで聞いた事があるな…?



なんて思いながら、



〝もっと欲しいなっ!!
まだ食べたいっ!!〟


と尻尾を振って甘えた声で言うと、その人は、


「ふふふふふ。
ちょっと待っててね。」


と言い、


カサカサカサッ



と紙袋の中に手を入れると、再びクッキーを取り出して、


「はい、どうぞっ!!」


とオレに差し出してくれた。




〝んめぇ〜っ!!
お前、クッキー作るの上手いな。〟



と言うと、


「お前じゃないよ。
潤、だよ。」


とオレの頭を撫でながら、その人はそう言った。






潤…って和の言っていた、あの潤くんの事なのかな…?


なんて思いながら、




〝おまえ…じゃなくて…、えっと…潤の作るクッキー美味しいよっ!!〟



と言いクッキーをモグモグと食べていると、廊下をバタバタっと走る足音が聞こえてきた。



「ねぇ、和くんここ?」


「うん、多分ここに…って、あ、ちょっとっ!!」


和と知らない人の声がしたかと思うと、




カラカラカラッ
バンッ!!


と、ガラス障子が乱暴に開けられて、




「潤ちゃんっ!!」



と言いながら、見た事のないキラッキラのイケメンが入ってきかと思うと、



「潤ちゃんいたっ!!
心配したんだよっ!!」



と言いながら、潤の元へとやって来て潤を、


ギューーーーーッ


と抱きしめたが、潤は、


「まー、離してよーっ!!」

と言いながら、潤を抱きしめようとする人物をグイグイと押し返していた。







誰だよ…?

潤に馴れ馴れしく触るなよ…。


と思っていると、その後を、



「ちょっと!!
相葉さんっ!!」


と言って、和と智くんが部屋へと入って来た。






〝和、何事だよ?〟


と聞くが、和にはオレの言葉は通じておらず、



「もうーーーっ!!
相葉さんが走るから疲れたよ。
ってか、勝手に部屋の扉開けないでよっ!!」


と和は、相葉さんとやらに文句を言っていた。



「だって、和くん…。
あっ!!でも、潤ちゃんいたよっ!!」

と言いながら、相葉さんは嫌がる潤を再び抱きしめていた。



「まー、もういい加減にしろよっ!!」


と言い、相葉さんの腕の中から抜け出した潤は相葉さんから離れると、和の元へと行き、


「ねえ、かず。
黒柴のワンコさんが、何事?、って聞いてるよ。」


と聞いてくれた。



「何事、って…。
潤くんがいなくなったから探していたんだよ。」


と言うと、潤は気まずそうな顔をして、


「かず…ごめんね…。」


と和にペコリと頭を下げて謝った。



「何でここにいたんだ?」


と智くんが聞くと潤は、



「皆んなこの家には『犬はいない。』って言ってたけど、俺には黒柴のワンコさんがいるの分かっていたし、前回確認済みだったから勝手に逢いに来たんだ。」


と答えた。


ちょっと待てっ!?




〝「「「前回確認済みっ!?」」」〟



って、どういう事…?












⭐to be continued⭐