潤と二人で木の上から和也と相葉くんの長い長い旅路を見守り、ようやく和也の住むアパートに辿り着いたようだった。





車から降りた和也は一人部屋の中に入ると、どうやら潤を探しているようだった。




そんな和也の様子を見ていた潤が、




「かず…。

おかえりなさい…。」


と小さく呟いた…。






ほんの数日だったが潤も和也も一緒に過ごしているのが当たり前になっていたので、心にポッカリと穴が空いたかのように寂しさが押し寄せているのだろう…。






ベランダに出て降り注ぐ雨に手を伸ばし、ジッと雨を眺めている和也の姿を見ながら、




「かず…。

まーがまだ戻って来ていないよ。

だから、まだだよ。」


と潤がポツリと言った。








気がつくと、雨を見つめている和也の琥珀色の瞳からは次から次へと大粒の雫が溢れて出ており、そんな和也を見ていた潤も、





「かず…。」

と言いながら、その綺麗な瞳から雫がポロポロと溢れ出ていた。




溢れ落ちる雫をそっと指先で拭ってやり、





「潤…、和也には相葉くんがいるから大丈夫だよ。」



和也の様子に気付き、心配しながら和也の隣で寄り添っている相葉くんの姿を見つめてそう言うと、





「うん。

しょおくん、そうだね。

まーがいるからかずは、大丈夫だよね。」



と、潤は瞳からポロポロと雫を落としながらニッコリと笑みをこぼした。










潤が笑顔を見せたのと同時に、降り続けていた雨が止み、その代わりに空には虹がかかっていた。












繋いでいた手に力を込めてギュッと潤の手を握りしめて、




「潤、見てご覧、虹が出ているよ。」



と虹を指差して言うと、潤はまだ潤んだままの瞳で空を見上げて、



「本当だっ!!」


と言うと、空をジッと眺めていた。




「潤、虹が綺麗だね。」


と話しかけると、潤が長い睫毛に縁取られた綺麗な瞳を俺に向けて、




「しょおくん…。

この虹も綺麗だけど、昨晩見たしょおくんの光の虹の方がもっと綺麗だったよ…。」



と、瞳を輝かせながらそう言った。





「ぷはっ。

潤、ありがとう。」



「でもあの虹は、和也の腕時計がないと見れないからなー。」



と言うと潤が、



「ん〜。」


と言いながら、何かを考えているようだった。




「あっ!!そうだっ!!」


と、ぱああーーっと満面の笑みを浮かべながら、




「ねえ、しょおくん。

来年の〝永遠の契り〟の記念日に、かずとまーを呼ぼうよっ!!」

と言ってきた…。




「はぁーーっ!?」



と、眉を潜めて思わず叫ぶ俺を見た潤が、




「ふふふふふ。しょおくん、冗談だよ。」


と舌をペロッと出して悪戯っ子のように笑った。




「それならいいけど…。」


あー…。

でも、和也と相葉くんなら…。




「…和也と相葉くんの事だから、『俺たちも記念日』って言って来年も来そうで怖いわっ!!」


と言うと潤が、




「ふふふふふ。

確かにかずとまーは言いそうだね。」


潤はクスクスと笑いながらそう言った。





空にかかる虹を眺めながら潤が、



「しょおくん…。

この先もずっとずっと、しょおくんと一緒に〝永遠の契り〟の記念日を祝えるといいなー。」


と言いながら、俺の肩にもたれかかってきた。




「当たり前だろっ!!

こらから先もずっとずっと〝永遠の契り〟の記念日も一緒に祝うし、光の星の流星も見せてあげるから。」





「うんっ!!

しょおくん、ありがとう。」






「どういたしまして。」









繋いでいた手をそっと外して、その手を潤の肩に置き、潤の綺麗な瞳を見つめながら、






「潤…愛してるよ。

これからもずっとずっと、俺の全ての愛を込めて潤を守ってあげるから…。」


と言うと、






「しょおくん、ボクも愛してるよ。

しょおくんの幸せがボクの幸せだよ…。」


と潤が微笑みながら返してくれた。









そんな愛おしい潤をギュッと抱きしめて、




「潤…、愛してるよ…。」




と言い、空にかかる綺麗な虹に見守られながら、潤にそっと口づけをした。

















これからもずっとずっと、潤と共に同じ時を過ごし…。















そして、永遠に潤を愛する誓いの口づけを…。






































⭐君に降らす雨〜流星の雫〜⭐
 〜end〜