時間に余裕を持って出たので途中相葉さんが調べてくれていた道の駅や、来る途中にあった名所に寄り道をしたりしながら、のんびりとおおみ屋工房へと向かった。
Jも色んな所に寄れてご満悦の様子だ。
相葉さんと運転を代わって俺が運転をしていると、車の窓から見える風景がだんだん田んぼや畑になり、細い道も多くなってきた。
のどかだなー。
と思っていると田んぼや畑が見えていた風景から、だんだん山や川が見える自然の景色へと変わっていく。
道も舗装のされていない道になり、じいちゃん家に来たのは子供の頃で山の麓にあった覚えているけどこんな道だったっけ…?
道を間違えているのか、それとも雨のせいで薄暗いので違って見えるのか…。
不安になってきて、
「相葉さん…。
ごめん、この道に見覚えがないような気がしてきた…。」
「えっ!?
ナビだとこの道で合ってるみたいなんだけど…。
にのちゃん、大丈夫だよっ!!」
「子供の頃に来て以来だし、あの頃はあんまり道を気にせずに車に乗っていたんだよね…。」
「くふふふふ。にのちゃん、仕方ないよ。
何年も来ていないと、道がわからなくなっちゃうよねー。」
不安になりながら運転をしていると、突然Jが車の窓の外を指差して、
「かずっ!!鳥サンっ!!」
と言った。
「えっ!?J、〝鳥さん〟がいるの?」
「ウン。イる。鳥サン。」
「どこなんだろう?見えないねー。」
相葉さんも前にのめり込んで、フロントガラスから空を見上げて言う。
雨が降っているせいもあり、視界があまりよくないので〝鳥さん〟は俺たちには全く見えないのだが、
「ココカラ道、ワナリニくいカラ鳥サン、案内シテクレるって。」
細い道がYの字に分かれていて、Jの言う通り右の道に進んで行く。
「コノ次ハねー…。」
と答えた。
玄関の引き戸の横には木を縦に切って両横には樹皮がついたままの状態で作られた看板が立てかけられていてそこには、〝おおみ屋工房〟と文字が浮き彫りに彫られていた。
その看板に見覚えがあり、じいちゃんが「儂が作った看板だっ!!立派だろっ!!」と自慢げに言っていたのを思い出した。
懐かしい年季の入った木の看板の文字をそっと撫でながら、じいちゃんの事を思い出していた…。
⭐to be continued⭐
「子供の頃に来て以来だし、あの頃はあんまり道を気にせずに車に乗っていたんだよね…。」
「くふふふふ。にのちゃん、仕方ないよ。
何年も来ていないと、道がわからなくなっちゃうよねー。」
不安になりながら運転をしていると、突然Jが車の窓の外を指差して、
「かずっ!!鳥サンっ!!」
と言った。
「えっ!?J、〝鳥さん〟がいるの?」
「ウン。イる。鳥サン。」
「どこなんだろう?見えないねー。」
相葉さんも前にのめり込んで、フロントガラスから空を見上げて言う。
雨が降っているせいもあり、視界があまりよくないので〝鳥さん〟は俺たちには全く見えないのだが、
「ココカラ道、ワナリニくいカラ鳥サン、案内シテクレるって。」
「えっ?〝鳥さん〟が案内してくれるの?」
「ウン。ソウ言ッテるよ。」
相葉さんと顔を見合わせて、
相葉さんと顔を見合わせて、
「にのちゃん、聞こえた…?」
「ううん。聞こえない。
ってか、〝鳥さん〟はJとしか会話が出来ないんじゃないかと思うんだけど…。」
ってか、〝鳥さん〟はJとしか会話が出来ないんじゃないかと思うんだけど…。」
「ああ。Jちゃん耳がいいもんねー。
うひゃひゃひゃ。」
「ウン。任セテっ!!」
うひゃひゃひゃ。」
「ウン。任セテっ!!」
Jが俺たちを見てニッコリと微笑む。
「かず、鳥サンが次ノ道右ダッテ。」
「はいはい、右ね。」
「かず、鳥サンが次ノ道右ダッテ。」
「はいはい、右ね。」
細い道がYの字に分かれていて、Jの言う通り右の道に進んで行く。
「コノ次ハねー…。」
と、Jと〝鳥さん〟のナビで道を進んで行くと、細い道を抜けた所に一軒の平屋が見えてきた。
家の周りに植えてある花や植木は手入れが行き届いていて、家の回りも綺麗に掃除がされている。
家の周りに植えてある花や植木は手入れが行き届いていて、家の回りも綺麗に掃除がされている。
今住んでいる人がこの家を大切にしてくれているのが一目でわかった。
家の前に停められている軽自動車の横に車を停めて、車から降り傘をさして玄関に向かう。
「にのちゃん、ここで合ってる?」
と相葉さんが聞いてきたので、
家の前に停められている軽自動車の横に車を停めて、車から降り傘をさして玄関に向かう。
「にのちゃん、ここで合ってる?」
と相葉さんが聞いてきたので、
「うん。相葉さん、ここで間違いないよ。」
と答えた。
玄関の引き戸の横には木を縦に切って両横には樹皮がついたままの状態で作られた看板が立てかけられていてそこには、〝おおみ屋工房〟と文字が浮き彫りに彫られていた。
その看板に見覚えがあり、じいちゃんが「儂が作った看板だっ!!立派だろっ!!」と自慢げに言っていたのを思い出した。
懐かしい年季の入った木の看板の文字をそっと撫でながら、じいちゃんの事を思い出していた…。
⭐to be continued⭐