そんなこと知ってた。

カイラスに巡礼したって、
マパムユムツォで沐浴したって、
雪の中で何時間もヒッチ待ちしたって、
曲龍で崖から滑り落ちたって、
何も変わらない。
何も変わっちゃいない。
強くも弱くも、ましてや聖者になんてなれない。
相変わらずくだらない事に腹を立て、
嫉妬し、自分を大きく見せたがってる。

だからそんな事知ってた。
全部わかってた、明確に。

そしてそれが、なんだっていうんだい。