昨日は鹿屋、そして今日は知覧。
第二次大戦時に特攻隊で亡くなられた方の資料館へ。
実は父方の大伯父が特攻隊員として亡くなられているので、慰霊を兼ねて。



本当は映画ホタルの撮影中に来たかったのだけれど、
遅れて遅れて、今日になってしまった。
沢山の遺影や遺品、遺書、絶筆が並ぶ館内。
一緒に来てくれた5歳と1歳の子供はやっぱりなんのことかわからないみたい。


特攻隊の隊員検索がデータベースから可能で。
僕はそこで、大伯父があの日沖縄に向けて出撃した、その時に最後の盃を交わした戦友の名前と顔や隊名、乗った飛行機の機種までを知る。
最新とは言えない旧い艦攻での出撃だったらしい。


僕は映画ホタルでは高倉健さんの後輩漁師役で出演しているけど、オーディションで受けてたのは特攻隊員役(高倉健さんの若い時の役)で、2次審査まで通過して、役作りを本格化させていた。
当時21歳の僕にはやりたいことがまだ山ほどあり、好きな彼女もいた。それらを全て置いて、国のために死にに行くことを自らをして納得させるという役作りはとても難しく、しかし自分の人生を一旦総決算する作業で、自分を見つめ直す機会となったのを覚えている。


今の僕よりもはるかに若い、17歳から29歳の特攻隊員たちの遺書を読む。
彼らは国を思い、母を思い、家族を思いながら、その為に少しでも孝行になるのならと最後は力づくで自分を納得させて、機上の人となったのだろう。
それならば、自分が今やるべきことは明白だ。家族や周りの人を大切にしながら、一生懸命にリネアストリアを前に進めること。
大伯父の遺書はなかったが、ずっと遺影を見ていたら、少し声が聞こえたような気がした。

今日の知覧は最高20度の過ごしやすい初夏の日。
桜島の下、錦江湾がキラキラ輝いていた。
大伯父の出撃となった5月のその日も、
きっとこんな初夏の日だったのだろう。

合掌。