誰もいない、風にそよともしない夏の公園に、迷い込む。
砂場に、半分埋まったおもちゃのシャベルとバケツを見る。
2年前の夏からずっとここに埋もれていた、というのは錯覚だろうか。
あの時も、同じように「あ、カラフルだ…」と呟いた気がするのだ。

この場所で、「お前は死に損ないなんだ」と罵られた、2年前の夏。
あの夜寝袋を広げたベンチに腰掛けしばらく、
今とあの頃と、何か変わったかなぁと考える。
何も変わっていない、成長も退行も。
そう思う反面、もう取り戻せない、そんな輝きがあの頃に見えたりもする。

このニ年間、あなたは死に損なって、それで生きていたのですか?『いいえ…』
これから、あなたは死に損なって、仕方なく生きていくのですか?『いいえ。』

ただいま友人の結婚式に向けて、各駅停車で帰省中。
草津でちょっと、途中下車。
2004年版、夏の匂い、夏の音を確かめました。