7月20日。
大阪を出た。
長い旅行が始まった。
前回の旅行から3年と3ヶ月と12日。
長かった。

バックパックが23キロ。
サブバックが5キロ。
自転車が11キロ。
グラムで。
こんな大荷物で大丈夫かなぁと思う。
でも自分が考え抜いた旅行のスタイルだから。

今回の旅行はゼロ。
もう俳優でもない、
脚本も書いてない、
小説も書いてない、
あの人もいない、
誰もいない、
何もない。
さぁ、ゼロから。

どうなりたいの?
優しくなりたいの?
強くなりたいの?
誰かに勝ちたいの?
仙人みたく土俵から降りたいの?
悟りたいの?
許してほしいの?
有名になりたいの?
気づいて欲しいの?
友達が欲しいの?
愛されたいの?
愛したいの?
いったいあなたは。

さぁ、どこへ行こう。
とりあえず行きたい所にはどこへでも行ける。
それはすてきな事だけれども、怖くもある。
あまりの高さと遠さに、足がすくむ。
下関国際ターミナル。

大丈夫。
「座標軸」が僕にはある。
あの時のオヤシラズは抜かれてしまったけれど、
ちゃんと僕の左下顎に、移殖の結果、奥歯として。

気をつけていってきます。
そしてちゃんと帰ってきます。
みなさんもお元気で。





2005年7月21日  関釜フェリー、はまゆう船上にて。

村瀬純平