グゲ遺跡からの帰り、札達からもトラックの荷台にヒッチさせて頂く。
行きと同じく、ナムルルートでアリープラン街道(西チベットのメインの街道)に出るものと思っていた。

札達から3時間くらい走って、停車。
トイレ休憩だろうと思って荷台から外に出てみる。荷台からは幌に覆われていて外が見えないのだが、外に出てみてびっくりした。
迷彩服。ライフル銃。軍だ。検問だ。しかもかなり緊迫している様子。
ドライバーさんの僕を見る目が僕が最悪のタイミングでのこのこ出て来てしまった事を物語っている。

しかしナムルまでに軍の基地などないはず、何かおかしい。ふっと、建物の看板を見てビビる。
「達巴」。
げっ、、、!あの「ダワ」だ。インド国境まで20キロ、中国ーインドの最前線。外国人の訪問許可はまず下りない、強烈な検問で有名なあのダワ、、、

ここで。
僕はこの「ダワ」の通行証、旅行許可証を持っていない。
本来、チベットではヒッチハイクは「禁止」。
さらに、トラックの荷台に乗るのもわりと厳格に「御法度」。
もう一つ、トラックは3人乗り、どう見ても「一人多い」。
やばい、相当やばい。
最悪の場合、僕はここでトラックを降ろされてもいい。
でも、せっかく乗せてくれてるドライバーに迷惑をかけたくない。(最悪の場合、免許停止になる事もあるらしい)

中国人民解放軍辺防検査隊の尋問が始まる。
とぼける、しかないでしょう。この場合。
僕がとりあえず口走ってみたこと。

「あれはトラックじゃなくて、バスだ」→(かなり無理あり)
「あれは荷台に見えるが、中に座席がある」→(ない)
「俺のおじいちゃんは中国人だから外国人許可証は不要だ」→(父、母側とも生粋の日本人)
「これからカンリンポチェに巡礼に行く」→(もう終わった)
「200元しか持っていない。」→(お金の話をわざとして、軍人さんに賄賂の要求を出すタイミングを与えている)

で結局、通過。
ドライバーさんもうまく話をつけてくれたらしい。
よかった、、、