ティルタブリにて、再会を果たす。
カイラス山をコルラ中に会った、日本人4人組のパーティーがティルタブリにいたのだ。こういう再会は嬉しい。テントを隣に張らせてもらい、また会いましたねぇ、と。

カイラスで会った時に今後の予定を聞いていたのだが、ティルタブリの後は確か、、、グゲ遺跡に行かれるとの事だった。聞いてみるとやはり明日、ツァンダ(札達)、グゲ遺跡に行くと言う。
これは、、、

札達行きの「バス」は全くあてにならないので郵便局の車をヒッチしようと、その為だけに出発の曜日に合わせてアリまで戻ろうと思っていたのだ。日本人4人とガイドさんやコックさんまで帯同してのパーティだったので、乗るスペースがないかと思ったがダメもとでお願いしてみる。すると「トラックの荷台なら」との答え。充分です、トラックの荷台で。

ラッキーすぎる。本当にラッキーすぎる。もちろん無料で。お金の話なんかなく、逆に日本の食材を頂いて、さらには昼食まで招んでいただいて。

本当にラッキーな、奇跡的な(ちょっと狙っていたが)再会だった。
 

 

テントを張る、あるいは畳む時に、一番厄介なのは風。
本当に腹が立ってくる。風に翻弄されて、テントが広がらない、おさまらない、どこかに飛んで行く、一人で設営するのは本当に大変な仕事。
はっきり言って、風は嫌い。静かにしてほしい。

 



しかしチベットでは、ティルタブリでは特に、風は特別。
ティルタブリにはおびただしい数のタルチョが川にかかっている。タルチョというのは五色の旗の事。青、白、赤、黄、緑でそれぞれ「空、風、火、地、水」を表している。一つ一つの旗には、チベット仏教のお経が印刷されていて、風にタルチョがたなびく度に、仏教の尊い教えが風に乗って広まって行くそうだ。

 



この日も強風。
苦労してテントを設営し、ティルタブリの裏山に登ってのんびり座る。
はためく無数のタルチョ。風に翻弄されバタバタと音を立てている。
この風に乗って、旅をするタルチョから生じた仏教の教え達。
いやいや仏教でなくともいい、本当はなんだっていいんだ。
人々の願い、後悔、懺悔がこの風に乗って旅をする。
なんだかとても、応援したくなってしまった。
もっと強く吹けばいい、そして遠くまで飛んで行けばいい。
切なる人々の祈り達。
この風に乗って。

まぁ、テント設営の時だけは静かにして欲しいが、、、

 

 

 

夜。
眠れなかった。
寒くて、足先が特に。
靴下を四枚重ねた、、、しかしそれでも寒い。

テント内は2度。摂氏で。

なぜかトイレが近い。
1時間おきにトイレに行きたくなる。
そして下痢。
便所なんてないので、全てその辺の河原で。

うぅん、辛い。
本当に眠れない。

睡眠薬代わりにレスタミンを飲む。
それでも、全く眠れない。

、、、、、羊を数えたり、足の指先運動を数えたり、、、
だめだ、、、少しうとうとしても、またトイレに行きたくなる。そして寒い。
寝袋、スリーピングバッグ、もっと上等の物を買えばよかった。

10時半に寝袋におさまって、今は4時。すでに6時間ほど、、、
寝ようと焦れば焦るほど、余計眠れない。

辛い。

そして朝。
いつの間にか眠れていたようだったが、、、
なんだか体がダルい。疲れがとれていないのだろう。
テント生活、、、嫌だ、辛い。