ジンバブエのビクトリアフォールズという町に来ています。
その名のとおり、ビクトリアの滝のすぐ近くの町です。
インドから南アフリカ共和国に飛んで、ナミビア、ボツワナ、そしてジンバブエへと来ました。

喜望峰、行きました。
名前がいいですね。「Cape of Good Hope」
サイモンズタウンという町で自転車を借りて片道20キロほど。
アップダウン激しいぞと言われましたが、まあ、ヒマラヤを越えた僕からすれば、ピクニック程度(その割には降りて歩いてたが、、、)でした。
途中、一匹のシマウマが悠々と僕の前を横切り、ヒヒの群れがウダウダしてて、遠くからでしたが、クジラのジャンピングも見えました。
そして喜望峰に落ちる夕陽。美しかった。インド洋から大西洋へと沈んでいく太陽を、一匹のダチョウと一緒に見ました。このダチョウ、草を食むわけでもなく、のんびりと夕陽に照らされて佇んでいた。お前も寂しいのかい?そうかそうかと近寄ったら逃げていきました。

ナミビアではちょいと死にかけました。
ゲストファームに泊まって、そこからボツワナ国境まで20キロ。日曜日にミニバスが通りかかると聞いていたので、それをあてにしていたのですが、「スルー」。追いすがりましたが、満員だったのか、乗せてくれませんでした。
で、ヒッチを試みる。
チベットよりラクだろうと気長に待っていましたが、交通量、一時間にトラック2台。しかも150キロのスピードで通り過ぎていく。
仕方なくヒッチ待ちしながら歩き始めました。
国境20キロを、30キロのザックを背負って、持っている水は1リットル。日差がきつい、喉が渇く、、牛とロバしかいない、、、相変わらず車も通らない、、、休みたいが木陰もない、体中の水分が音を立てて蒸発していく、、、死ぬかも、とほんの少し。まあ死なないのはわかっていたが。
なんとか5時間で到着。
到着してから、この道路が「カラハリ砂漠横断道路(Trans Kharahali Highway)」だったと知りました。

ボツワナでは、、、
普通の国道よ、別に国立公園などではなく。
普通の国道を走っていると、突然、象の群れ。
30頭くらいが、道路を横切って藪の中に消えていきました。
さらにキリンも、そしてまた象さん!ベンチに誰か腰掛けていると思ったらバブーン(ヒヒ)でした。最高、、、これ普通の国道です、、、

毎日、夕陽がきれいです。
それは本当に、美しすぎて、言葉にならない。
28年生きていて、今まで28年分の夕陽を見てきたはずなのに、
それなのにどうしてこんなに心を動かされるのか、わからない。とにかく美しい。

毎日、色んなことがあります。
闇両替屋と怒鳴りあったり、嫌な黒人に露骨に「非ホワイトはあっち行け」、されたり、猿にオレンジジュースを取られぶち切れたり、川べりでのんびりしていたら突然クロコダイルが現れたり。(まじでビビッた!)
道路上には車に轢かれた野生動物をよく見ます、物乞いがよく声をかけてきますが、無視して通り過ぎます、アリと蚊をたくさん殺しています。

最近、やっと自分の死を実感できました。
いつか自分も必ず死ぬということが、やっと信じられるようになった。そしてそれを少し、微笑ましく思います。「村瀬純平ちゃんと死ぬんだ~」と。まあ当たり前の事なんですけど。
でもそれでやっと、ああ今は生きてるんだなと思えるようになった。ちゃんと僕も死んだなぁと、フェアだと。
僕の今まで見てきた、色々な形で空しく消えて行ったたくさんの「いのち」と、やっとフェアだと。

馬鹿みたいに照り付ける太陽の下で。
雲なんてこの一週間、カケラも見てません、、、そんな空の下で。
毎日、いろんなことがあります。やってます。
そしてそれを幕引くように、毎日夕焼けが、馬鹿みたいにきれいです。