多数決。
間違ったことでも真実にしてしまえる、唯一の方法。
幸せではなく示し合わせを追求する、積み木細工の方式。
僕達の不等式──僕達の不当式。
人類が本当の意味で発明したと言えるのは、これくらいのものだろう──そしてこれは、人類史上もっとも醜い式である。
「どうしました、阿良々木先輩。思い出したくないことでも──思い出してしまいましたか?」
僕は何も思い出していない。だって、忘れたことなんてないのだから──あの出来事を、忘れられるはずがないのだから。
「さあ、迅速に進行してもらいましょうか、阿良々木」
「本日の議題は『犯人当て』です」
「犯人を特定するまで、誰もこの教室からは出しませんから」
「僕が絶望したのは、議論じゃなくて結論なんだ」
「私はお前が嫌いだ」
「ただ阿良々木先輩、これだけは言えます。怪異にはそれにふさわしい理由がある──ですよ」
あの日以来じゃないのか? 僕があんなことを言い出し始めたのは。
「多数決ではなく、私達が決めなければならないんです」
何を言ってるんだ、この子は。
「遂に来たんですよ──過去と向き合う日が。謎を解き明かすべきときが」
何を知ってるんだ、この子は。
「私は何も知りませんよ。あなたが知っているんです」




老倉育(CV:井上麻里奈)
2015年10月3日(土) 24:00 より放送開始
初回1時間スペシャル放送