『なに考えてるのよ?』
自室に閉じ籠っている俺の部屋に
ノックもしないで入ってきた姉ちゃん。
『別に………なにも……………』
姉ちゃんを見ることなく
ベットに横になって天井を見てる俺。
天井に浮かんで消えるのは……………智の顔ばかり
かわいい顔で笑ってたり………
寂しそうに俯いたり………
つまらなそうにしていたり…………
怒った………………顔。
なんだか……………
最近…………
智の笑った顔……………見てないや…………
『…ふ~ん…………そう。』
姉ちゃんは、俺の勉強机から
椅子を取り出して
ベットにいる俺の近くまでくると
そこで座った。
『………………?…な、なんだよ。』
やっと、目線を姉ちゃんに向けると
『潤はなんで
別荘の売却
渋ったの?』
と、聞いてきた。
『………………』
答えたくない。
だって、智に会えなくなるのが
嫌だなんて…………言えないだろ。
『あんなにあっちに(智たちがいる所)
行くのを嫌がってたのにね。
今度はこっちに戻ることを渋るんだ。』
『あのときと今じゃ………
状況が違うだろ。
いつもいつも……………
大人の勝手で振り回されてさ。』
『やっぱり、
いじけてたんだ。
あの頃は、小学生だったけど
今度は中学生で思春期真っ只中だものね。
反抗期?
それとも…………
離れたくない人がいるの?
好きな子がいるとか?』
『…………………///』
『なんだ。
やっぱりね。
そりゃあ、中学生ともなると
好きな子の一人や二人はいるわよね。』
『……………………///』
俺の顔が赤くなっていくから
恥ずかしくって壁の方に向きを替えた。
『…………………付き合ってるの?』
『……………………』
『告白したの?』
『…………………』
『フラれたのか。
…ふ~ん…………そうでしょうね。
あんたみたいな暴君
好きになってくれる人なんて
いないんじゃない?』
俺が何も返事をしてないのに
勝手に結論ずける姉ちゃん
外れてはないけど………
『暴君って………………
姉ちゃんに関係ない。』
『あんた、バカだから
好きな子を束縛したり
好きな子いじめしたんじゃないの?』
『…………………』
『やっぱり。』
姉ちゃんはガックリといった具合に肩を落とした。
姉ちゃんは、俺のことよく知ってるなあ……
何も言ってないのに言い当てる。
まさか、俺の好きな人のことも知ってるってこと?
『…………潤…………
好きな子には優しくしなきゃダメよ。
そうじゃないと嫌われるだけよ。
特にあんたはね。
好きだからって暴走して
束縛したら逃げたがるに決まってる。
その反対に、優しいしてあげたら
自分の方から近づいてくるんだから。』
と、俺の頭を撫でながら
姉ちゃんが慰めてくれる。
『本当?
姉ちゃん、それって本当。』
俺は向き直り
ベットから起き出した。
『え?
ええ。』
『もし、相手に他に好きな人がいても?』
『あら、それじゃあ………
諦めなさい。
好きな人がいるなら無理よ。』
『いやだ。』
『あんた、
昔っから諦めの悪い子だったわね。
そんなことしたらもっと嫌われるわよ。
嫌われたくなかったら諦めなさい。』
『諦めたくない。』
俺との押し問答に
姉ちゃんは、呆れたため息をついて
『じゃあ…………
いい機会じゃないの?』
『何が?』
『距離が…………
離れてみて気づくこともあるのよ。
そして、離れたからこそ育つ愛もある。』
『本当。』