Private Eyes-あ

シュボッ。。。私はやめたはずの煙草に火をつける。


落ち着け…落ち着くんだと自分へ言い聞かせ、そして…自分にこう問いただした。


「何故…こうなった?」


パニック寸前の頭の中を整理する。


ありえない。ありえない。ありえない…


確かに我慢の限界だった。自分の中で何かがはじける前に…

私はメイプルストーリーを辞めた筈だった。


それが何故、今になってこんなことに?目の前で起こっている現実が半分理解できない。


自宅の部屋にて毎日愛用している腕時計で時間を確かめる。


現在…26時57分…


ついに…


Private Eyes-あ












































































固定が新宿に降り立った。































































久しぶりに火をつけたたばこの煙を見つめながら私は考える。


どうやら固定は東京観光という名目でこっちに来たらしい。


世間は週末。会社も学校も休み。


絶好のタイミングだということか…


新宿に降り立って暫くふらふらでもしてたのだろう。奇妙な時間に私の携帯電話が鳴る。


Private Eyes-あ

あのね、今新宿ってとこに来たんだ。東京観光してみたくて…すごいね、この街。ピカピカしててすごい綺麗。

しばらく居ると思うんだけど今何してるの?












・・・






















・・・・・・・・・




































26時57分・・・・・・・




















































私の思考は完全に止まった。



























バスに揺られやってきた固定は新宿に降り立った瞬間に何を考え何を思っていたのだろうか。


ふと…こんな言葉が頭をよぎった。


自分の感情を押し付けて

こんなに好きなんだから

君も好きになってはおかしいよね。





正論だ。実際問題押し付けられている方はたまったもんじゃない。


この言葉を思い出したその刹那。私の中の激情にスイッチが入る。



Private Eyes-s










3時43分・・・



















































私は車に乗り込んだ。


Private Eyes-あ

ほんの少しの現金と携帯電話。

そして辞めた筈のたばことライターを持って。