小川千甕 水郷潮来図:掛軸 | 野崎淳之介 『玉石混淆 美術館』 blogsite

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玉石混淆=良いものもそうでないもののごちゃまぜになっている様。

 

小川千甕(おがわせんよう Senyo Ogawa

明治15年―昭和46年

 

明治時代末から昭和にかけて活躍した画家の大家。

仏画師・北村敬重や洋画家・浅井忠に師事し

二科展などで活躍しています。

 

そして、日本画・洋画・陶磁器の絵付、はては漫画に至るまで

さまざまな画業、仕事をこなした人物です。

 

誤って名前の「千甕」に「ちかめ」とルビを振られてしまい

それ以降「せんよう」「ちかめ」と

双方名乗るようになったという逸話は有名。

 

他の千甕作品「松図:短冊画」はこちらから!

 

そんな小川千甕が描いた「水郷潮来図」です。

 

 

水郷の里にて一層の舟を漕ぐ舟人が描かれています。

 

 

遠くには里の家々が見てとれます。

ほんとうにのどかで温かみのある絵です。

 

 

落款部分です。

 

 

筆跡を比較してみます。

左側は他の小川千甕 真筆作品の画像から

署名部分だけ抜粋してお借りしています。

同じ筆跡です。

 

 

印譜の比較です。

左側は参考資料として

柏書房 刊「必携  落款字典」から抜粋しています。

ピタリ合致する印譜です。

 

 

ひと言コメント

小川千甕の真骨頂ともいえる温かみのある絵のタッチ

同一筆跡や合致する印譜など

この作品は小川千甕真筆で間違いないと考えられます。

 

箱はありますが共箱ではなく

無記名の合わせ箱となっています。