一般病棟に移ったのは、あくまでもコロナが陰性になったからで、おじーの状態は何も変わらず。
「お父さん、今まで危ないところを何度も乗り越えてきたから、これからも頑張ってほしいとこです。」
主治医が、ありとあらゆる検査や投薬をしながら、おじーの回復をまつ時間が流れていく。
その度に、おじーの状態説明の連絡をくださる病院。
良い人、良い環境に恵まれて、こんなに懸命におじーの命の火を灯してくれてる。
ありがたいね、おじー。
早く元気になって、
「さんきゅー、さんきゅー。」
って、言わないと。
家族は、おじーの回復を信じてひたすらおじーの帰りを待つ、なんとも言えない空気感の日々が流れてた。
反抗期のドアの前を、行ったり来たりしてるお年頃のうちの息子に
「おじー、帰ってきてほしいね。」
と、問いかけてみる。
「うん!」
とても、反抗期とは思えない、直球な
「うん!」
おじー、聞こえてる?
普段、おじーにそんなに関わらないくせに。
帰ってきても、そんなに関わらないくせに笑。
これが家族か。
おじーが、家族を束ねてた印象は全くないけど、扇子の要が取れそうになってる。
足元がグラグラしてるような不安感。
そしていつもの、病状説明。
「ジリ貧です。」
乾燥肌の私が何年も使ってる。