水木しげるが川を渡られたそうだが、あの方自身が妖怪のような方だからこれからこっちとあっちを行き来したりもするのだろうし、そう思うと哀しいという気持ちにもそうならない。
それにしても「この世は通過するだけのものだから、あまりきばる必要はないよ」という氏の言葉はいいな。僕もきばらずニョロっと生きていきたいものだ。そうしよう(ってかそうしてる)。
子供の頃、『ゲゲゲの鬼太郎』(←モノクロ版の第1シリーズ)ももちろん好きで見てたけど、それよりモノクロ実写の『悪魔くん』、さらには『河童の三平』を夢中で見てた。マジで怖かったんだよなぁ、『河童の三平』。大人になって『悪魔くん』はDVDを買って見直したけど、『河童の三平』は買ってない。なんかあの頃の記憶のままでいたほうがいい気がしちゃってねぇ。
水木しげる漫画のキャラで一番好きなのは、やっぱ「ねずみ男」かな。あのトリックスター的な感じがたまらなくてね。姑息でお調子者なんだがたま~に見せる鬼太郎への情にほろっときたこと何度かあり。敵方で好きだったのはなんといっても霧の中のジョニーこと「吸血鬼エリート」。ルパン三世で言うところのパイカルにも似て、敵ながら魅力的というかヤバい色気のようなものすら子供心に感じてぞくぞくしたのを覚えてる。第1シリーズではこの「吸血鬼エリート」回と「大海獣」回が傑作ですね。
とかなんとか、そんなふうなことを同世代の友達といま無性に語りたくなってるというのは、つまり「死んでも生きてる」ってこと。そうやって水木先生は、というか偉大な作家は、ずっと生き続ける。そういうことなのでしょう。R.I.P. 水木しげる。