私の目の前の光景を

受け入れるのには時間がかかりそう


2人の関係性は

きっと私が入ることもできないくらい深いんだ…

何度も唇を重ね合わせる2人の姿が

それを物語っている



小雨の中

私は立ち尽くしたまま

黙ってその光景を目に映すことしかできないでいた




「ウヨン…」

胸が苦しい


男女関係なく誰とでも仲良くなれる彼を

疑ったことなんてなかった

今、目の前で繰り返される光景に

私は初めて

胸が張り裂ける思いを抱いた



ざわつく胸と連動するように

雨が激しさを増す




(今なら泣ける…)

そう思うのと同時に

激しかった雨の音がかわる



止んだ…?

そっと上を見上げると

大きな黒い傘が私の上に見えた





「びしょ濡れじゃん…」

背後から聞こえる低い声に

私は思わず振り返る






「ジュノくん!」


「風邪ひくよ」

驚く私にニコッと微笑みながら呟く



「どうして、ここに?」


あまり見られたくない…

潤む瞳を隠そうと急いで下を向くと




「行こう」

私の手首をギュッと掴んで歩き出した