「剛君、お誕生日おめでとぉ〜!」
舞台稽古で忙しい中、終わってからうちに寄ってくれた
「明日、少しでも会えるといいな」
昨日そうメールした
返信は
「わかんねぇ」
だったんだけどね
自分の誕生日って、わかったと思うんだ
剛君の誕生日に私が会いたいって思ってるって。
そういう気持ちを、無視は出来ない男なんだよね〜んふふ。
「はい!食べて」
「……おまえ…まじか」
お誕生日のディナー
現場できっと何かしらお祝いされて、食べてくると思ったんだけどね
「だって森田だよ」
「……」
「剛君の40歳の誕生日だもん!思い出に残るような日にしたかったの」
自称忘れっぽい剛君
確かにイノッチのように細々と覚えてる方じゃない
だけど大切なこととかは、ちゃんと覚えててくれるんだよね
だからその中でもガツンと残るように
「40歳の誕生日の記憶に刻みたかったんだもん」
剛君は私を射抜くかのように見つめ続け
無言で食べ始めた
私はテーブルの向かい側で、剛君の食べる姿をずっと見つめていた
あちぃとか、さっぱり系だなとか
ひとり言じゃなく、たぶん私に話しかけてくれてる
だからその度に私は相槌をうつ
ヒゲに縁取られた唇の中に啜りこまれていくのがセクシー
剛君は食べてる姿もフェロモンがダダ漏れでやばい
「ごちそーさんっ」
ツユまで飲み干してくれてた
「剛君、40歳だね」
「まさかのカップ麺で祝われた」
そう言って、照れたように
それを隠したいかのように
でも嬉しいって思ってくれてるのが
その優しずぎる目尻から漏れていた
これから四十代
ますます私は剛君に溺れていくんだろうな
そんな誕生日
やっぱり剛君が大好き❤
終わり
剛君の誕生日はこれでお祝いしようと決めていました
家族は最初わからなかったようで
「そういうことか!」
と、呆れていました(笑)
剛君、40歳おめでとうございます