「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おかあちゃん・・・」

 

 

私が読んでいた漫画を覗き込み、その悪魔のセリフをつぶやく

 

 

「こういう役も、似合うと思うんだよね」

 

 

人間の魔法使いでは太刀打ちできないグレ-タ-デ-モン

 

 

だけど実は猫に育てられた過去があり、その育ての親猫には逆らえない

 

 

というか、育て親猫の前ではすっかり子供

 

 

かっこいい姿かたちとは裏腹に、まったく頭の上がらないなさけないというか、かわいらしい悪魔

 

 

「動物との撮影は、難しいからなぁ」

 

 

あ、本気で考えてくれたみたい

 

 

「そうだよね~。特に猫って、難しいよね」

 

 

実家でずっと猫を飼ってたからわかる

 

 

彼も猫を飼ったことがあるから、わかるんだろう

 

 

「もうちょっと若かったらっていう冒険者はどれ?」

 

 

私はペ-ジをめくり、冒険者になる王子を見せる

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・裸・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「あ~本当だ~」

 

 

読み進めたペ-ジには、まったく何も身に着けていない状態の王子が描かれていた

 

 

もちろん私は読んでたから知ってたし、

 

 

彼女と言う立場じゃなく、1ファンとしての目線というか希望で・・・

 

 

「・・・・・・言い方が、白々しいんだけど」

 

 

「え?へへへ」

 

 

彼の鍛え抜かれた裸体が、大画面にバ-ンと映されればいいなって思ったわけで

 

 

「俺の裸なんて」

 

 

「観たいっ!」

 

 

やばい

 

 

めっちゃかぶせて言っちゃったよ