「………」
黙ったまま、やわやわと揉まれ続ける
それ以上はしないから、寝るつもりかな
目をつぶる前に、彼の顔を見て…
「…眠れない」
視線が合った途端に文句を言われた
「目をつぶってたら、そのうち寝ちゃうよ」
「……」
素直に瞼が閉じられ、きれいな瞳が見えなくなる
そして私は目をつぶれなくなる
カーテンの隙間からの明かりは、雪が積もり出してるからかかなりの明るい
雪明かりが深い彫りの瞼に、まるで墨絵のような影を落として
スゥッと迷いなく引いたような二重の線が際立つ
きれい
キレイ
綺麗
ひらがな、カタカナ、漢字
どれで表しても、表しきれてない気がする
どうしてこんな人が、私の隣にいるのか不思議な気分になってくる
すぅ
規則正しい息が聞こえ始めた