雪明かりに照らされて、長いまつ毛が陰を落とす


それは雪の結晶にも似ている繊細さ



窓の外を眺めていた彼の視線が、フワッと揺れるように私へと注がれる



視線が合うと綺麗な口角が、ほんの少しだけ上向きに上がり



私は息を止める



唇から


鼻から


漏れた息で彼が溶けてしまうように思えたから




「〇〇、雪触った?」



「あ…うん、触ったよ」



雪の彫刻が話しかけてきたような驚きと共に、現実に戻ってきた



「ふ〜ん…俺も一緒に触りたかったなぁ」



そう言いながら、彼の手が私の体のラインを撫でだした



その手をそっと押し返す



「准君、明日もお仕事だよ」



夜明け前には出ないとまずいし


地下駐車場だから、雪に埋もれて出られないなんてことはないはずだけど


出てからの道路はわからないもん



雪が積もっていたら、速度だって落とすわけだし、いつも以上の時間を考えて出るべきだよね



「〇〇も仕事だよなぁ…」



押し戻したはずの手が、今度はお腹の横のフヨフヨしたお肉をつまんでいる


「うん。だから、寝よ」



「………」



ぽにょぽにょとした感触を確かめるように、何度も揉んでいる