「くっふふっ…くっくっくっ」
笑いが漏れ出したら、止まらなくなった
笑い続ける私を不思議そうに見て、なんで笑ってるか探るようにおでこをコツンとつけてきた
ダメ〜
止まらないよぉ〜
だって、まさかの真逆の理由なんだもん
雪を見て
私はなんとなく下向きな気持ち
彼はなんとなく上向きな気持ち
になったってことだよね(笑)
「楽しそうだなぁ」
そう言って、軽くチュってされる
だって同じ雪を見て、会いたくなったっていうのは同じ気持ちなのに
彼はウキウキしてなんだもん
雪を見てウキウキして
それで私に会いたいって思ってくれたんだよね
「雪、積もるね」
「ん」
彼の手が、私を超えて窓の方に伸び
カーテンを少しだけ開けた
「電気、消して」
枕元のリモコンで小さな明かりを消すと、部屋の中は真っ暗になる
「あ…」
さっき見た景色と同じなのに、今見える吹雪は…。
彼の方を見ると
雪明かりが端正な顔を照らしていた