足元の湯たんぽのぬくもり
これなら火事にもならないしエコだからね、ってくれた母のことを思い出す
いつも笑っている母
なんだかすごく会いたくなった
母の握ってくれたおにぎりとトン汁が食べたいな
なかなか寝付けず、うとうとといろんなことを考えていたら、ガチャっという音が部屋に響いた
「?!」
うち?!
うちの玄関がまわった音?!
頭の中が凍りついたように動かず、体も布団の中で固まる
耳をすます
キィという小さな音
やっぱりうちの玄関だよね⁈
え?!
なんで?!
どういうこと?!
恐怖で固まったまま、視線だけ動かすと、そこにスマホがうつった
あ
金縛りが取れたかのように、体が動き出す
私はスマホを手にし、慌てて彼の電話番号をタップした
ドアが閉まった音がする
早く
早く
早く繋がって
すごく長い時間、祈った気がする
♪♪♪♪♪
呼び出しコ-ルがなり続ける
♪♪♪
「「もしもし」」
「え?」
繋がったと思ったら、彼の声が二重に響いた