電気を消して、ベットに入る前


少しカーテンを開けて、外を見てみた



最初何も見えず、あれ?って思い、目を凝らしたら


吹雪いていた


夜の闇が、無数の小さな白い塊で靄がかかったように滲んでいる



ドクン



急に心臓が大きく跳ねた



あれ



なんで



なんで不安になるの



パジャマの胸元を、ぎゅっと握りしめる



カーテンを閉め、部屋の壁を見ながらゆっくり深呼吸を繰り返す



こういう時はV6の歌



イヤホンをして、曲を選ぶ



目をつぶり、彼の顔を思い浮かべる


彼のソロ部分が流れ


歌う彼の姿が見えてくる


だけどなんでか



笑顔の彼に、靄がかかってる


優しく弓なりになった唇が、薄れていく


柔らかく細められた目が、薄れていく




嫌な汗が一筋二筋


私はガバッと起き上がって、慌てて電気をつけ、近くにあった雑誌を手にとった



急に電気をつけたから、少し眩しかったけど


それだけじゃない眩しさで笑う彼が、そこにいた



[冷え込むね。おやすみなさい]



スマホを手にし、かなり悩んでメールをしてから目をつぶり、今度こそ寝むりについた