「なんか恥ずかしいこと?」


掴んだ手がピクンと震えた



「俺に話せないこと?」


「……」



視線を合わせて、外す



悩んでるのか



握った手が、ぎゅっとグーになる



「……シーツを洗わなきゃって…」



あぁ、俺が出かけた後洗ってくれたのか



慌ただしくて見なかったけど、洗わなきゃな状態だったんだろう



「だからシーツを取ったの」



何度か言いよどんで、唇を開けては閉じる



「そしたら…箱が落ちてて…」



「箱?なんの?」



途端にボンっと発火したかのように、またもや真っ赤になった



「准君がっ!ちゃんとしまっていかないからっ」



「?しまっていかなかった?………ぁ?!」



まさか



アレか?!?!



確かに記憶にない



引き出しに戻した記憶がない



あ〜



それを見つけて恥ずかしいってわけか



「ごめん。今度からちゃんとしまうから」



でもそんなことでそこまで………



「引き出しがあいてたから…閉まってたら開けなかったけど…」


しまってくれたってことか



「ありがとう」



「………」



まだ物言いたげな雰囲気



出しっ放しとか、ついつい気が緩むとしてしまう



「…ああいうのは、自分で買うの?」



「まぁ…その、自分ではない、かな」



そんなことが気になったのか



さすがに自分で買うところを誰かに見られたら、やばいことはわかってる



「じゃあ、誰があんなにいっぱい買ってきたの?」



アンナニイッパイ



あんなにいっぱい?!?!



息を飲み込む



あれを見られたってことかっ



引き出しに戻したってことは、そーゆーことだよな


使うときは夢中だから、引き出し開けっぱなしで



終わってしまう時に閉めるという行動をとるわけだけど



今朝はバタバタでしまい忘れた



つまり引き出しが開けっ放し



そこへ彼女が出しっ放しのその箱をしまおうとしてくれて



俺の頬も発火した