今夜の夕飯、なんだろう



朝ごはん、うまかったなぁ



炊きたてのご飯はいつだって美味しいけど、やっぱり2人で食べると美味しさ倍増で、朝からついつい食べ過ぎそうになった



彼女の作るカレー食いたいなぁ



餃子も上手いんだよな



「おいっ、ヒゲっ」



夕飯に思いを寄せていたら、剛君に小突かれた



「ヒゲって、剛君もヒゲでしょー」



「気持ち悪ぃんだよ、さっきからニヤニヤしたり真顔になったり」



やっべ


顔に出てたのか



右手で口元を覆うけど、遅かった



「おかだぁ〜っ!おまえ、いくらイケメンだからっていってもよぉ〜エロいこと考えてニヤケんのはまじやべぇ〜ぞっ」



薄っぺらい体をユラユラおかしな具合に揺らしながら、イノッチが近づいて来た




「エロいことって、なんだよぉ〜」



すっごく嬉しそうに笑いながら、健君もやってくる



今日の仕事は雑誌のインタビュー


セットチェンジの間、休憩しているところだった



「別に…夕飯何食べようかって考えてただけだし」



本当のことだ



「おっ!何、おまえ〜夕飯食ってくのか」


あ、やばいかもしれない



「じゃあよぉ、お気にで行っちゃうか?!」


「俺たち、お気にだもんね〜」


今回のツアー中、長野博お気に入り3人組として、俺たちは地方の時は毎晩一緒に飯を食っていた


そんなわけで



イノッチと健君が盛り上がり始める


剛君はそんな2人を冷めて目で見てるけど、本当はそんな2人のこと好きなんだよな



「長野くぅ〜んっ!」


やばい


勝手に話しが進み出す



「やっ、俺今夜は行けないから」



「「はぁ?!?!」」


長野君の方へ向かおうとしていた2人が、同時に首だけ俺の方へむけた