「ごちそうさま」

 
 
 
彼女が片付けだし、俺がお茶をいれる
 
 
 
コーヒーよりお茶がいいなという気分
 
 
 
「金曜日か…」
 
 
 
「そうだよ、金曜日。でも准君はあんまり関係ないよね」
 
 
俺の仕事は確かに曜日はあまり関係ない
 
 
イノッチはあるだろう
 
 
博もあるだろう
 
 
「関係あるよ」
 
 
「そうなの?」
 
 
お皿を洗う手を止め、俺の方を見た
 
 
「○○の会社が土日休みだからね」
 
 
カチャン
 
 
食器がぶつかった
 
 
お湯を入れた急須を置き、そちらを見ると
 
 
頬を薄っすら染めた彼女が、ンッと唇を結びまた洗い出していた
 
 
わかりやすくかわいい彼女
 
 
気付かないふりをして
 
 
お茶をいれた
 
 
ソファに座ると、彼女もやってきた
 
 
俺の隣にポスンと座る


それが彼女の定位置で
 
 
ソファの小さな揺れが愛おしい
 
 
二人で土日の予定を話す
 
 
俺は昼間に仕事が入っているけど、夕方には帰ってこれるはずだ
 
 
「じゃあ、ご飯作って待ってるね」
 
 
「ん。あ・・・・冷蔵庫の中、全然ないな…」
 
 
ここのところ、コンサ-トで地方へ行ったりしてたから、ほとんど冷蔵庫の中は空だ
 
 
「何か買ってきてつくるから、大丈夫だよ」
 
 
「一緒に買い物、行こうか」
 
 
俺がカ-トを押して、彼女が食材をカゴに入れていく・・・・・いいな、それ
 
 
「ダメ。」
 
 
言われると思った


前もダメ出しくらったよな
 
 
「何かリクエストある?」
 
 
「○○が作ってくれたものなら、なんでもいいよ」
 
 
一番食べたいものは今夜食べるし
 
 
「ん~わかった」
 
 
三泊
 
 
二人で何を話すでもなく、ポツポツと話す時間がとても貴重なものに思える