鍋の中にはキャベツしか見えない

 

 

この匂いはコンソメか?

 

 

「まかないロ-ルキャベツ?」

 

 

「そう。友達に教えてもらってね。簡単だからたまに作るんだ」

 

 

それからお皿に盛りつけながら彼女が説明してくれた

 

 

「普通のロ-ルキャベツはね・・・私、どうしても苦手なの」

 

 

どうやらキャベツの葉をきれいにはがすことが出来ないらしい

 

 

「絶対にやぶれちゃうんだよ~」

 

 

ロ-ルキャベツは作ったことがない

 

 

「でもね、これは最初からキャベツを千切るから。だから食べやすいし作るのも簡単なんだよ」

 

 

それから二人でいただきますをした

 

 

熱々のところをスプ-ンですくって口へと運ぶ

 

 

「・・・・チ―ズが入ってる?」

 

 

「うん。トマトも」

 

 

「んまい」

 

 

「そう?へへへっ」

 

 

彼女は照れくさそうに、でも嬉しそうに口角が上がり、それを隠すかのようにパクリと食べた

 

 

「熱っ!」

 

 

「っ!」

 

 

俺は慌てて彼女に水を差し出した

 

 

俺から受け取った水をごくごくと飲み、グラスを置くと

 

 

「えへへっ、熱いから准君も気を付けてね」

 

 

なんて言いながら、恥ずかしそうに舌先を出して見せた

 

 

・・・・・・・・・・・とりあえず夕飯を食わなきゃな