お風呂はきれいに洗ってあったから、そのままパネルのスイッチを押しお湯をためだした

 

 

そうしたら彼がやってきて、待てないって

 

 

「待てない」って耳元で囁くんだよ



耳に唇が何度か触れる

 

 

私が耳が弱いってわかってての行動

 

 

だけどね、私だっていつもいつも准君の思うとおりになんていかないんだから

 

 

お風呂がたまったら入る

 

 

それを実行するんだ

 

 

それなのに、肩をつかまれたと思ったらくるりとまわされ、唇をふさがれた



さっきまでのキスを体はすぐに思い出してしまう



情熱的に私を求めてくれていることが、合わせた唇から伝わってくるから



思考能力が失われていく中で、あぁ、お風呂はあとでためればよかったな…と思った



チュッ



と濡れた音をたてて唇が離れる



「風呂あとでいいね」



とろけるように甘く見つめられて聞かれたから、私は素直に頷いた



彼は唇の端をクッと上げて、私の右手をつなぐと寝室へと歩き出した



自分の視界に繋いだ手が入る



スラリときれいに伸びた指が、私の短い指としっかりと絡まっている



今日はまだ肌寒くて汗をかいてないからよかったけど、やっぱり先に入りたかったな



そんなこと考えていたら、ふわりと体が浮く感覚がしてベットへと押し倒されていた